ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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岡野、福谷 それぞれの開幕へ

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 岡野祐一郎と福谷浩司。裏ローテを任せたいこの2人が4イニングずつを投げた今日のオリックス戦。結果は明暗が分かれた。

 先発の岡野は初回、いきなり連打を浴びて無死一、二塁のピンチを背負うも後続を冷静に打ち取り無失点で凌いだ。だが2回、高橋周平の悪送球で招いたピンチから2点を失い暗雲が漂ったが、ここから真骨頂をみせる投球を披露。3,4回はいずれも三者凡退に抑え、特に吉田正尚から見逃三振を奪った外角のストレートは抜群のキレ味をみせた。

 アマチュア野球のウォッチャーが岡野を評するとき、必ず登場するのが「勝てる投手」という語句。この日の最速が145キロだったことからも分かるように、力でねじ伏せるようなタイプではなく、目を見張るような鋭い変化球があるわけでもない。ただ、玄人筋に言わせれば岡野は「ゲームメーク能力に秀でており、破綻するような欠点がない」(アマチュア野球研究家・yamadennis氏)のだという。昨季は主要大会8試合52イニングに登板して6勝を挙げ、防御率0.87と抜群の安定感で最優秀防御率のタイトルを手にした。岡野は「プロでもこのタイトルを目指していきたい」と語っている。

 最初の一歩である開幕ローテ入りは今日の投球でほぼ手中に収めた。次は初勝利、その次がローテ定着。そして1998年の川上憲伸以来となるルーキーでの規定投球回をクリアしたときには、自ずと目標のタイトル獲得が見えてくるはずだ。

 

 

別人のような8回の福谷

 

 一方で、今ひとつの内容だったのが5回から登板した福谷である。先頭の頓宮裕真に四球を与えると、なんとか2死までこぎつけるも中川圭太のタイムリーであっさり失点。四球から崩れるというこれまで幾度となく見てきた福谷の悪癖がいきなり出た。このあと6回は無失点で抑えたが、7回は無死一塁から西野真弘にストレートの四球を許すと、2死からまたしても中川に2点タイムリーを食らった。打った中川も見事だが、やはり四球が絡んでの失点である。

 このあたりは入団当初からの課題であり、そろそろ克服しなければ許されない年齢でもある。今季は先発としてフル回転が期待される投手なだけに、“見飽きたいつもの福谷”が顔を覗かせたのは本当に残念だった。

 だがこの内容にもかかわらず今日の福谷に対して合格点を出しているファンが目立つのは、8回の投球の鮮烈さゆえだろう。小田裕也、モヤ、宗佑麿から奪った3者連続三振。ストレートとチェンジアップを使い分ける緩急のピッチングは見ていて心地よさを感じるほどだった。

 実は7回から捕手が木下拓哉から郡司裕也に代わっていた。先日の大野雄大の炎上といい郡司はここまでリード面で良い結果が出ておらず、今日も出場して早々の2失点なのでまた評価が下がるのかと肩を落としながら見ていたのだが、そういう意味では8回の奪三振ショーは福谷にとっても郡司にとっても自信をつかむキッカケになったのではないだろうか。

 

ストレートで押してチェンジアップで三振をとる。パワプロでも有効な投球パターンだね

郡司は福谷が「緩急○」の特殊能力持ちであることに気付いたんだろう。パワプロ配球あなどりがたし!