ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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岡野に惚れた!

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 中日のドラフト3位・岡野祐一郎投手(25)=東芝=が19日、セルラースタジアム那覇で行われた巨人との練習試合に先発。3イニングを投げ、被安打4の2失点という結果だった。

 

 遂にベールを脱いだ岡野。大卒社会人経由で、一浪も経験したガチもんのオールドルーキー。4月16日に26歳の誕生日を迎えれば、たちまち“若手カテゴリ”を卒業。晴れて中堅の仲間入りだ。

 年齢が上下関係の基準となるプロ野球の世界にあって、小笠原慎之介や鈴木博志が岡野に対してどんな接し方をするのかがやけに気になる。中途で自分よりも年上の人が転職してきた時の、あのぎこちない感じ。とりあえずお互いに敬語で喋りつつ、外食の会計を年下が奢るのも違和感あるし……。そんなサラリーマンあるあるを連想させる26歳の岡野が、いよいよ初陣を飾った。

 今年ダメなら即、整理対象選手に仲間入りしてもおかしくない崖っぷちルーキーにとって、練習試合といえども一切の妥協は許されない。期待されるのは即戦力としての活躍だ。開幕すぐに戦えることを証明するためにも、残り1ヶ月の全ての登板が生き残りを懸けたサバイバルになる。

 初の対外試合は巨人戦。ほぼ二軍メンバーのドラゴンズに対し、巨人は坂本勇人、丸佳浩、岡本和真らを並べたシーズンを意識したオーダーを組んできた。力試しにはこれ以上ない相手だ。

 初回。先頭をショートゴロに打ち取るも溝脇隼人がお手玉して出塁を許す。走者が出たときの投球が見たかったので、むしろ好都合。続く2番坂本には真っ直ぐで押し、最後も低めの真っ直ぐで投ゴロ併殺に仕留めた。さらに3番丸は真っ直ぐで空振り三振。上々の立ち上がりを見せた。

 2回は先頭の岡本に真っ直ぐ2球とカットボールでバットを振らせず3球三振。しかし5番パーラには10球粘られた末にフルカウントからの真っ直ぐを打たれると、1死二塁から6番モタには初球の変化球が甘く入り、右中間を真っ二つに割る適時三塁打を許してしまった。さらに2死一、三塁から石川慎吾にも高めの変化球をセンター前に弾き返され、この回2失点。3回は丸の単打1本に抑えただけに、悔しいイニングとなった。

 

 

真っ直ぐで押す攻めの投球はみごと

 

 ただ、この時期はまだ結果よりも内容が重要だ。良い面も悪い面も出た実戦初マウンドをひと通り見た上での率直な感想は、「惚れた!」。この一言に尽きる。最速149キロといわれる球速こそ、まだ全開には程遠く140キロ台前半にとどまったが、それでも丸から空振りを奪ったのは本人も自信になっただろう。

 なにより緊張の初登板で四球を出さなかったのがよかった。大抵、ルーキーが崩れるのはカウントを悪くしてバタついたときと相場は決まっている。現に昨年の今ごろ、同じ巨人との練習試合で対外試合初マウンドに立った勝野昌慶は、ストレートの四球をきっかけに変化球頼みの投球に逃げ、3連打を浴びるなど1回2失点のほろ苦デビューとなった。

 対して今日の岡野は走者を出しても真っ直ぐで押す攻めの投球を貫き、失点したあともそのスタンスを崩さない意志の強さも垣間見えた。

 2本のタイムリーはいずれも不用意な変化球を打たれたもの。この辺りは課題といえそうだが、これはバッテリーを組んだのが19歳の石橋康太だったのも関係しているだろう。全体的には「これなら大丈夫、十分通用する」と思える投球をみせてくれた。

 練習試合も今日で終わり。22日からはオープン戦が始まる。例年よりも早い開幕とあってレギュラークラスの調整もそろそろ開幕を見据えた段階に入るだろう。その局面でどのような投球ができるか。楽しみな投手がまた1人、現れた。

 

でも今日、本当に惚れたのは戸郷の方なんだけどね

岡野にも惚れたけど戸郷にはもっと惚れたってか。とんだアバズレめ