ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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阿部よ、ヒゲだけは剃るな

 理想を追い求めるのは大切なことだが、時にはあきらめも肝心なのかもしれない。

 今日放送の「森貴俊のドラゴンズステーション」(東海ラジオ)で、飛距離アップを目指していた阿部寿樹がバッティングを昨年の形に戻すことを示唆した。

 放送されたインタビュー内で阿部は「プロに入って今が一番状態が悪い」とした上で「ボールは見えているがタイミングが合わない。いろいろ試してもタイミングが取れないし、合わない」と悩める胸中を告白した。

 さらに去年までの自分自身と比較し、「去年まではがむしゃらにやっていて自分の状態なんて考えたこともなかった。オフの期間、安心せずにやってきたつもりだったが、慢心があったのかもしれない」と、知らず知らずのうちに生じた心の隙の可能性に言及。

 秋から取り組んでいる飛距離アップについては「スイングが大きくなりすぎている。粗い。この修正をしなければいけない」と分析しながらも、「ここまで状態が悪いと、そろそろ去年までの形に戻すように舵を切らないと開幕に遅れる」と危機感をあらわにした。

 阿部は与田監督からビシエドに代わる4番候補に指名され、昨年の秋から飛距離アップに着手していたが、4試合に出場した練習試合では計11打数2安打(打率.181)と結果が出ていなかった。13日のDeNA戦ではスタメン4番にも抜擢された阿部はこのまま打撃改造を断念してしまうのか。明日の巨人戦に注目したい。

 

右方向への打球が持ち味の打者が強引に引っ張るのは危険ではあるが、それでも阿部にはパワーを生かしてこの路線を突き進んで欲しかったね

まだ完全にレギュラーを掴んだわけじゃないからね。理想にこだわりすぎてポジションを失ったんじゃ元も子もない。真価が問われるシーズンだけに揺れるのも無理はないさ。ただ……

ただ?

ヒゲだけは剃らないで欲しい。いや、絶対に剃っちゃダメだ

 

関川、ヒゲを剃って大スランプに

 

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▲自分を見失った関川の打撃は二度と元には戻らなかった
(中日スポーツ1999年10月28日1面)

 

 ヒゲを剃ってドツボにはまったケースといえば、中日ファンとしては関川浩一の一件が未だに悔やまれる。99年、この年3割を超える成績で大ブレークした関川だったが、何を思ったのかリーグ優勝を果たした数時間後、ビールかけの会場に現れた関川はトレードマークのヒゲをきれいさっぱり剃り落としていたのだ。

 3週間後に開幕した日本シリーズ初戦、ダイエーの先発・工藤公康の術中にはまった関川は自分の打撃を見失い、このシリーズを19打数0安打と完膚なきまでに抑え込まれてしまった。

 下馬評では有利とされていた中日敗退の戦犯として関川は容赦ない批判を浴びた。このとき盛んに言われたのが「ヒゲなんか剃るからいかんのだわ」というもの。ひどい当て付けではあるが、実際にヒゲのない関川は別人のようで威圧感もなく、なぜわざわざ剃ってしまったのか理解に苦しんだのものである。

 あのシリーズからもう20年以上が過ぎたが、未だにふと「ヒゲさえ剃ってなければ勝てたんじゃないか」と思うことがある。ヒゲと一緒に運まで剃り落としてしまったかのような、苦い思い出である。

 

そんなわけで阿部が気分転換とか称してヒゲを剃っちまわないか心配なんだよ

ま、ヒゲ剃っても活躍した選手もいるけどな。ガッツとか