ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

謎多きシエラは新年代の神になれるか

www.chunichi.co.jp

 中日の新外国人で育成契約を結んだモイセ・シエラ外野手(31)が24日、中部国際空港着の航空機で他の外国人とともに来日。「最初の試合から出られる準備はできている。支配下に入れるように、首脳陣が目を見開くようなプレーをしたい」と2月8日の初実戦(阪神戦・北谷)からの出場を志願した。

 

 24日、キューバ勢(とビシエド)を除く外国人が一斉にセントレアに降り立った。その中でも、とりわけ評価が鰻のぼりに上昇しているのが外野手のシエラである。と言っても、別にフリー打撃で柵越えを連発したわけでも、他球団007が警戒するほどの飛距離を披露したわけでもない。今のところ“中日・シエラ”としての仕事は飛行機に乗って無事に来日した。ただそれだけである。ではなぜそのシエラの評価が上がるのか。理由は、アルモンテの状態が思わしくない……というか、どうやらダメっぽいことにファンが薄々勘付き始めており、相対的にシエラに期待せざるを得ない状況が生まれてしまったからである。

 

必ず1人は必要な福田のサブ


 アルモンテは年明け早々に母国リーグの試合で二塁打を放った際に下半身の違和感を訴えて途中交代。この時点では軽傷を強調していたが、キャンプの振り分けが発表された20日になって加藤宏之球団代表が「軽くはない。前(昨夏の負傷箇所)と同じところ」と明かし、キャンプはリハビリ組スタートが濃厚となった*1

 昨年の暮れ、与田監督が直々にドミニカを訪問して状態を確認した際には「来年の開幕には間に合う」と本人は説明しており、その言葉を信用して契約延長に踏み切っただけに失望感は大きい*2。そして今回もアルモンテは「開幕に間に合わせる」と相変わらず軽傷を強調しているようだが、もはや額面どおりに受け取るピュアな人間はいないだろう。仮に間に合ったとしても、患部を庇いながらではとてもじゃないが全力プレーは望めまい。

 

ただでさえ怪しい守備がこれ以上ダメになったらシャレにならんぞ

 

 残念ながらアルモンテに大きな期待を寄せるのは難しそうだ。そうなると和製大砲・福田永将の14年目の大覚醒に期待したくなるが、福田も福田で1年間をレギュラーで完走したのは2018年シーズンのみ。しかも前年300打席余りで18ホーマーという実績を受けて大いに期待されて迎えたこの年は、なぜか440打席13ホーマーと本塁打率を大きく下げる結果に終わった。しかし翌年、つまり昨季は再び310打席18ホーマーと盛り返し、まことしやかに囁かれていた「福田は休み休み使ったほうが数字を残せる説」を裏付ける形となった。

 では福田がスタメンを外れる日は誰を代わりに使うべきなのか。遠藤? 井領? 期待はするが、スタメンを任せるには心もとない。そこで一番手に挙がるのがシエラというわけだ。とは言えまったくの未知数。それどころかシエラはまだ育成契約の身。本来であれば過度の期待は禁物だが、中南米野球に詳しい赤味噌さん@Akamiso97)によればシエラが今季のDWLで記録した出塁率.460は過去10年間の同リーグで最高の数値とのこと。また同氏は「MEXでBB/K0.90 IsoD.109、DWLでBB/K0.66 IsoD.124の選球眼と、レフトだけでなくライトも守れる利便性も今の中日に欠かせない大きな武器」と活躍に太鼓判を押す。

note.com

 

 来日時は長打力をさほど期待されていなかった助っ人といえば日本通算187ホーマーを放ったロバート・ローズ(元横浜、ロッテ)の例もある。ひょっとするとひょっとするぞ。そんな期待感を抱かせるのがシエラという選手である。

 アルモンテの故障により余程のことがなければ支配下登録は確実(というか3月末日までに登録しなければ今年1年を棒に振る)。既にキャンプは一軍スタートが決定している。ゼロ年代のT.ウッズ、テン年代のビシエドに続く2020年代の神助っ人の座を掴むべく、謎に満ちたシエラがそのベールを脱ぐ日は近い。

万が一、開幕前に故障でもしたらその瞬間お先真っ暗になるくらいにはシエラに期待してるぞ