ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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祝!ライデル残留&ヤリエル獲得!

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 中日は残留要請していたライデル・マルティネス投手(23)と来季の契約で合意した。加藤宏幸球団代表が19日、明かした。推定年俸6000万円の2年契約で、キューバ代表の活動があるため、再来日の時期は今後詰めるという。アリエル・マルティネス捕手(23)とも育成契約を結ぶことで合意した。
 また、新外国人選手として同じキューバ人のヤリエル・ロドリゲス投手(22)を育成投手として獲得することでも合意した。

 

よっしゃあああああ

これで安心して年が越せるぜ‼︎

 

 大きな懸案事項が片づいた。ライデルの残留は既定路線とはいえ、キューバ政府の胸三寸でどうひっくり返ってもおかしくなかっただけに、残留確定の報道が出るまでは少なからず不安を感じていたものだ。13日には東スポが煽り記事を出し、ファンの神経を逆撫でしたばかりだった。

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 まさに「ざまあみろ」の朗報には、残留だけでなく思わぬクリスマスプレゼントも添えられていた。ヤリエル・ロドリゲスの獲得である。メジャーも熱視線を送るトップ・プロスペクトを育成契約で送り込むとはキューバも粋なことをしてくれる。年齢はライデルより若い22歳ということで、時間をかけてじっくり育てる方針なのだろうが、潜在能力を考えれば案外早くモノになるかもしれない。いずれにせよジョエリー・ロドリゲスの穴を速攻で埋めた首脳陣の交渉術は見事である。

 

 

覚えるのが大変な外国人の名前

 

 今回の朗報は、まさに与田監督の地道なロビー活動が実った形だ。キューバで現地の要人と葉巻を吹かすなど短期間で密な関係を築いた手腕はさすがの一言。やはり与田は星野仙一以来の“政治家監督”と呼ぶにふさわしい人物のようだ。

 それにしてもロドリゲスが去って別のロドリゲスが加入というのはややこしい。中日ファンでさえ複雑なのだから、他球団ファンはなおさら混乱するのではないだろうか。しかもマルティネスもライデルとアリエルの2人が在籍しており、念のため言っておくと2005,2006年にプチ活躍したルイス・マルティネスとは別人で、このマルティネスは通訳のルイス・フランシス氏とは無関係。ちなみに昔、西武と巨人で活躍した“マルちゃん”ことドミンゴ・マルティネス氏は現在中日で海外スカウトを担当しているが、ドミンゴ・グスマンともジョエル・グスマンともいっさい関係なし。

 こんな感じで一文字リレーができそうな複雑怪奇な中日外国人コレクションだが、その昔中日は日本人でも同じような現象に見舞われたことがある。1990年代後半の山田カルテット”である。

 

同時期に4人の山田が在籍

 

 1996年に同時に在籍した山田広二山田和利山田喜久夫山田洋の4人はイチローやカズ山本の例に倣い、星野監督が改名を提案。ベテランの山田和利を除く3人が「広二山田」「キク」「ヒロ山田」という珍妙な登録名に変更したが、この年限りで元に戻した(平田洋という選手がいたのも混乱を招いた)。

 だが翌年、引退した山田和利と入れ替わるように今度は山田貴志がドラフト5位で入団。名前だけでなく、広二、洋を除く喜久夫、貴志、そしてコーチに就任した和利の3人が東邦高OBというのも複雑さに拍車をかけた。ちなみに同時期の阪神の正捕手で選手会長も務めた山田勝彦も東邦高OBで、喜久夫が1年生の時の3年生にあたる。

 1999年になると選手で残ったのは洋だけとなったが、コーチ陣には新たに山田久志が加入し、和利と共に投打で一軍コーチを務めた。その後、洋は2001年に山田博士と登録名を変更するもシーズン途中に横浜へトレード移籍。これをもって1984年以来、誰かしら在籍した山田姓の選手は完全消滅した。

 以降、今日に至るまで中日には山田姓の選手が誰一人として在籍していないが、根尾昂と同期の大阪桐蔭高出身で現在立教大1年生・山田健太は中日ファンとして知られ、六大学リーグでは春季合計で打率.351を記録。3年後のドラフトで指名されれば、チームとして実に21年ぶりの山田姓誕生となる。

 

そんなことよりライデル残留だ


 まさかライデル残留、ロドリゲス獲得の話題から山田カルテットの話を書くことになるとは私自身も思っていなかったが、このブログは中日ドラゴンズの歴史研究を主眼に置いているのでご容赦いただきたい。

 一時は残留危うしかとも言われたライデルの去就が年内に決着しただけでも大喜びだ。これでライデルまで流出となれば、たちまち来季の行方は暗礁に乗り上げていただろうから、このオフ最大の朗報と言っても過言ではない。結局、去ったのはロドリゲスだけ。しかし新たなロドリゲスを手に入れたことで、与田政権の2年目は順調に進んで行けそうだ。