ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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背番号13、まさかのルーキー橋本侑樹が継承か

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中日のドラフト2位・橋本侑樹投手(21)=大商大=が14日、背番号13をつける見込みとなった。前人未到の通算1002試合に登板し、歴代最多407セーブを挙げ、昨季限りで現役引退した岩瀬仁紀さん(45)が付けていた偉大な数字。球団にとって即戦力左腕に対する大きな期待を込めての“譲渡”だ。(中日スポーツ「ドラニュース」より)

 賛否両論が激しく分かれそうなビッグニュースが飛び込んできた。背番号13といえば岩瀬仁紀が2018年の引退まで20年間にもわたって付けた“レジェンド番号”。準永久欠番扱いになっていたこの番号をわずか1年のブランクで、しかもルーキーに与えるとなれば物議をかもすのは必至だ。

 特に中日は2010年以降、立浪和義の引退から1年を置いてルーキー吉川一幾に3番を与えたのを契機に山本昌の34番を福敬登に、エース番号と言われる20番を野村亮介に、福留孝介が背負った1番を友永翔太に与えるなど身分不相応とも思えるルーキーへの“禅譲”が目立っており、必要以上の重圧を背負わざるを得ないルーキー達への同情と共に球団側の思慮のなさが槍玉に上がることも多い。
 いわんや岩瀬となれば尚更だ。前人未到の1002試合登板を果たした岩瀬の功績は、中日の枠を超えてプロ野球83年の歴史に燦然と輝く快挙である。そんな番号をいきなり引き継ぐ橋本は、もし期待に応えられなければ様々な批判に晒されるのは避けられない。例え橋本自身への攻撃ではなくとも、この番号を与えた球団への批判はどうしても起こるわけで、いちいち同情されることが橋本にとって雑音になりかねない。

 特に13番となれば、現役で在籍中の選手に変更を打診しても恐れをなして断りかねないほど重い番号だ。そんな“重荷”をわざわざルーキーに背負わせるのはあまりに酷ではなかろうか。

 

 

伝統伝承の観点からの反対

 

 球団内で特別な意味を持つ背番号は、その番号に相応しい選手に成長してから襲名するのが一般的だ。山田哲人や鈴木誠也の1番も、柳田悠岐の9番も、入団当初の大きな番号から変更して付けた経緯がある。中日もかつてはそうだった。1954年の優勝投手・杉下茂やシーズン35勝をあげた権藤博が付けた背番号20を星野仙一が襲名したのは3年目のこと(その間1970年の1シーズンだけ渡部司が付けている)。また次代の小松辰雄も入団時は34番で、7年目から20番に変更した。

 ところが近年は落合監督ならびにGMの意向でルーキーがいきなり重い番号を与えられるケースが増え、なおかつ成功例が少ないことから上述のルーキーへの思慮のなさに加え、伝統伝承の観点からも疑問の声が上がっている。個人的にも選手の“顔”である背番号を軽く扱う風潮は寂しさを感じざるを得ず、今回の件に関して与田監督がどのような意図で橋本に13番を用意したのかは分かりかねるが、できれば考え直してもらえれば幸いだ。

 中日は歴史的に見ても「永久欠番」という考えが希薄な球団である。つまり、どんな偉大な番号もいつかは誰かが引き継ぐ運命にある。であるならば、せめてそれに相応しい実績を残してからでも遅くないと思うのだが、そんな伝統重視の考え方は保守的すぎるだろうか。

 

【追記】

13の継承に対してやや批判的なことを書きましたが、12月15日付の中スポで岩瀬さん本人のポジティブなコメントを拝見できたので切り替えました。頑張れ!負けるな!橋本!