ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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名球会、特例枠設置であの大物OBも入会か!

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【ホノルル(米ハワイ州)10日(日本時間11日)=為田聡史】プロ野球名球会に“大谷ルール”が導入される。同会の総会が行われ、従来の会員資格に加え、特例枠を設けることが決議された。

従来の入会資格は投手は200勝、250セーブ、野手は2000安打だが、特別な価値を見いだした成績をその都度、理事会で協議。候補者を総会に諮り、会員の4分の3以上の賛成で特例を適用する。二刀流を目指すエンゼルス大谷にも将来的名球会入りが見えてきた。(日刊スポーツより)

 

 名球会の入会資格は以前から疑問で、特に180勝の斎藤雅樹や1656安打の掛布雅之など一時代を築く活躍をしたにもかかわらず、基準に届かずに引退した名選手に関しては特例措置で入会を認めても良いのではと個人的には考えていたので、今回の決定は喜ばしい。

 現役時代2371本もの安打を積み重ねた落合博満は「数字の設定の意味がよく分からない。もちろんその数字を残した選手は皆素晴らしいが、名球会だけが一流選手ではない」と2000安打を記録した際に入会を“拒否”したのは有名な話。とは言うものの名球会が超一流選手のステータスとして機能している事実が存在する以上、時代に合わせた基準の緩和は遅かれ早かれ必要になる。大谷翔平の処遇はともかく、今回こうした決議がおこなわれたのは前進といえよう。

 記事によれば「特例は新たな入会資格を設定するのではなくその都度、理事会で候補者を挙げ、総会で4分の3以上の賛成があれば適用となる」という。100勝100セーブ100ホールドの上原浩治や、3度のトリプルスリーの山田哲人も将来的に2000安打に到達しなくても入会は間違いないだろう。

 では我が中日ドラゴンズはどうだろうかと考えてみる。100勝100セーブの郭源治、遊撃手として史上最多41本塁打の宇野勝、“会員”荒木雅博と共に華麗な守備で黄金期を支えた井端弘和あたりが候補者としてすぐに思い浮かぶ。だがもう一人、あの大物を忘れてはなるまい。名古屋が生んだ稀代のスラッガーといえば、そう、山崎武司である。

 

はい解散

待て待て、今回はまじめな話だぞ

 

 

球史に残るスラッガー・山﨑武司はこんなにも名球会にふさわしい!

 

 山崎といえば近年ではすっかり角が取れ、おもしろおじさんのようなポジションでメディアに登場することも珍しくない。だが現役時代は球界を代表するスラッガーとして活躍。安打こそ1834本と惜しくも基準に達しなかったが、その功績をあらためて振り返れば山崎がいかに名球会に相応しい選手なのかがお分かり頂けるはずだ。

 つべこべ言わずにこちらをご覧いただきたい。

 

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 圧巻と言うほかない華々しい実績の数々。一度は引退の瀬戸際まで追い込まれながら奇跡の復活を遂げ、不惑手前でキャリア最多のホームランを放つというストーリー性もインパクト十分だ。

 入団当初は地元の星として、晩年は中年の星としてたくさんの人々に夢を与え続けた一方、決して器用なタイプではなく上層部と衝突することも多々あった。フォームも弾道も美しいと呼べるシロモノではなく、どちらかといえばかっ飛ばした時の姿よりも豪快な空振り姿の方が目に焼き付いている。乱闘になれば「日本人なめんな」という想いで屈強な外国人相手にも臆せず立ち向かった。山崎は、今やすっかり見かけなくなった昭和の泥臭さにまみれた野球選手の最後の一人だったのかも知れない。

 名球会のホームページに、こんな理念が掲載されている。

プロ野球選手は、そのプレー行動発言によって、社会そして未来を担う少年達に大きな影響を与えています。それは「明日への希望」を具現化しているからに他なりません。名球会はその好影響をさらに推進していく使命をおびた団体でありたいと考えます。

 

 危険を顧みず火の海に飛び込む勇気、年を取ってもあきらめずに努力する不屈の精神は「プレー」「行動」共に名球会の理念にも一致する。ただし「発言」に関しての失策はご愛嬌で。特例での入会は叶わぬ夢ではないだろう。