ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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与田のドミニカ補強が始まった

 オフシーズンが始まって以来、他球団が次々と新戦力補強の話題で盛り上がるのを横目に、中日だけはそれと言った情報も出ぬまま師走を迎えてしまった。当初は「積極補強」を掲げていたものの、福田秀平にフラれ、ロドリゲスは退団し、頼みの綱のトライアウト勢からも獲得の気配はないときた。

 結局「大島の残留が最大の補強!」と強がるくらいしかできない、まあ要は例年どおりのオフになってしまうのかなと諦めかけていた矢先、ようやく中日スポーツ一面に新外国人獲得の朗報が入ってきた。その名はルイス・ゴンザレス

 ゴンザレスというと巨人が過去に3人ほど同名の選手を獲得し、いずれもいまいちの成績に終わった記憶がある。しかもルイス・ゴンザレスといえば、原巨人の最初の3連覇の時にセカンドの守備要員として渋く活躍し、その後ドーピング違反が発覚して解雇された、あのルイス・ゴンザレスと同姓同名ではないか。

 人を名前で判断するなどもっての外だが、少し波乱を予感させる「ゴンザレス獲得」の一報である。

 

字面から受けた不穏な第一印象はこれだったか……

 

さすがの与田流、人身掌握術

 

 なんでもドミニカ渡航中の与田監督が直々にチェックし、ロドリゲスの後釜として獲得を決めたのだという。11月25日に日本を旅立って9日が経った。当初は今月1日の帰国予定と報じられていたが、まだ帰ってくる気配はない。この時期くらいはゆっくり静養してもらいたい気もするが、チームのためには妥協を許さない性格なのだろう。海外出張しても上司の目が行き届かないのをいいことに観光だけ楽しんで帰ってくるサラリーマンが絶えない中で、頼もしい限りではないか。

 時おり伝わってくる現地での様子を見ると、すっかり溶け込んでいることも分かる。

 

 「ゴッドファーザーPART2」のアル・パチーノ張りにサマになっているキューバ会談。初めて訪れる異国でここまで現地の要人と距離を縮められる人間はそうはいないだろう。

 与田の最大の持ち味は、この“人たらし”とも形容できそうな人身掌握術である。大野雄大など選手との信頼形成はもちろんのこと、政財界のお偉いさんへの挨拶なんかでも与田は実にうまく相手の懐に入り込み、自分の支援者にしてしまう。球界きっての爺殺しで鳴らした星野仙一もそういった特性を見抜いたからこそ生前与田を寵愛したのではないだろうか。

 殺すのは爺だけではなく、女殺しでもある。「美味しんぼ」の山岡士郎にそっくりだった若い頃から、“できる男オーラ”は群を抜いており、1年目オフのキャンプでは全選手中で最多の応援FAXが全国から届いたという。あの(どの?)井上一樹をして「イケメン投票?監督が一番男前でしょ」と言わしめただけのことはある。

 

ミドルヒッター・シエラと育成選手契約

 

 モリシゲの退団により不安視されていたドミニカルートだが、与田なら安心して任せられそうだ。その第1弾として発表されたゴンザレスに続き、夕方にはビシエドの元同僚、モイゼス・シエラを育成選手として獲得したとの情報も飛び込んできた。

 31歳という年齢に加えて外国人の育成選手の支配下登録期限は3月31日と規定されているため、シエラはキャンプ、オープン戦を通して相当なアピールをしなければ1年間を二軍で費やすことになる。球団としても本人にとっても、ある意味で賭けのような契約だが、まだ枠に余裕がある中での不可解な契約は、キューバからの本命野手、通称「デスパイネみたいな長距離砲」を獲得できる目処が立ったと考えるのが自然だが、果たしてどうなるだろうか。

 今後もゴッドファーザー与田の動向から目が離せない。