ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

ロドリゲスの去就は天命を待つのみ!

「待つ」ことほど辛いものはない。

 試験にしろ、交渉ごとにしろ、生殺与奪権を相手に握られ、ただ朗報を信じて祈ることしかできない状況は生きた心地がしないものだ。

 このシチュエーションは、片想いの定番として歌の歌詞に使われることも多い。有名なあみんの「待つわ」はそのものズバリで片想いの相手が振り向いてくれるまで“待ち続ける”決意を描いた名曲。のちの石井浩郎(近鉄、巨人など)夫人・岡村孝子の幸薄そうな顔立ちも相まって、この年オリコン年間1位に輝く大ヒットとなった。

 荒井由実が作詞作曲し、アイドル石川ひとみが歌ってヒットした「まちぶせ」の主人公はただ待つだけの従順な女性ではなく、「もうすぐわたし あなたをふりむかせる」と貪欲さをみせる。そのためには「わたしは自分から言いよったり」せず、「別の人がくれたラブレター見せたり偶然をよそおい帰り道で待つ」などあの手この手を使って気を引かせようとする。このアクティブさが、いかにもユーミンらしい。ちなみにユーミンの尊大さはバブル期にピークを迎え、中日が優勝した'88年には「ふってあげる」という別れ歌を発表する。ふるでもふられるでもなく、女王ユーミンはふって“あげる”のだ。なんたる高飛車、もとい逞しさ。

 話が横道に逸れすぎた。今月、中日はふたつの「返事待ち」に翻弄された。ひとつはFA戦士・福田秀平。加藤宏幸球団代表いわく「年俸もあまり高くない」とかで財布の紐の固い中日も手が出しやすかったのか、同姓の福田永将が同じ外野のポジションにいるにもかかわらず、中日にはめずらしくFA選手に対して積極的なアプローチを試みた。

 とはいえ福田がわざわざ金払いのいいソフトバンクを出て中日に移籍するメリットが何一つ見当たらず、正直言ってファンも最初から諦めムードだったが、今日ようやく福田が出した答えはロッテ移籍。やはり大方の予想どおり片想いは失恋に終わった。

 

そりゃお前、動機が不純だろ

逆にこれで中日を選んだらそっちのが驚く

 

巨人、ロドリゲス断念の報道も

 

 もうひとつの返事待ちは、ロドリゲス。重要度で言えばこちらの方が圧倒的に高く、まだか、まだかと気を揉みながらこの1ヶ月間を過ごした方もさぞ多かろう。先日の記事でも書いたように、タイムリミットである11月30日が近づいている。むしろここまで朗報が入ってこないのだから、とりあえず保留者名簿を外れるのは間違いなさそうな景況だ

 自由契約となればNPB他球団を含めた争奪戦が繰り広げられることになる。そうなれば中日が不利な状況に立たされるのは自明。相次ぐFA補強の不発と外国人の放出によって資金があり余っている巨人が札束攻勢をかければ、たちどころに勝負は決するーー。

 ところが、その巨人サイドが妙なことを言い出した。

www.sponichi.co.jp

 巨人の大塚球団副代表が25日、記者団に対して「(ロドリゲスと阪神のジョンソンは)メジャーに行くという情報が入ってきた」(中日スポーツ11月25日付より)との機密情報をぽろり。これを受けてスポニチも「獲得に乗り出すことを検討していた中日・ロドリゲスについては獲得を断念する意向を示した」との記事を出したのである。

 そもそもまだ交渉できないはずのロドリゲスの去就をなぜ巨人の首脳陣が把握しているのか不明だが、そこは敢えて触れるつもりはない。重要なのは、どうやらロドリゲスが巨人に移籍する可能性が限りなく低くなったという事実だ。ロドリゲスの移籍先については、兼ねてからメジャーならやむなしとの声が多く、なんならセ・リーグでなければ構わぬとの意見さえもちらほらある。要は巨人に引き抜かれるのだけは何としても避けたいわけだ。

 それでも資金力にものを言わせての巨人入りが濃厚と見られていただけに、急転直下の“大塚発言”はある意味では中日ファンに勇気を与えるものとなった。

 ただ、早とちりはよくない。あくまで大塚球団副代表は「メジャーに行くという情報が入ってきた」と述べたに過ぎず、スポニチの記者が勝手にこれを「断念」と解釈した線も捨てきれないからだ。はっきりと「ロドリゲスは獲らない」と明言したわけでもない以上、安心するのは尚早。メジャー最優先の意向は確かだとしても、ウィンターミーティングの動向次第ではまだまだ油断は禁物である。

 ただし、もしメジャー球団から好ましい契約が取れなかった場合は中日残留を希望するというのであれば、三顧の礼で迎え入れようではないか。「私待つわ、いつまでも待つわ」の心境で、もう少し静観してみたい。