ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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中京大中京・高橋宏斗の衝撃

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 明治神宮大会に来年ドラフトの目玉候補が登場。世代ナンバーワンをひと目見ようと駆けつけた大勢のファンやバックネット裏に陣取ったスカウト達に、会心の投球を披露した。

 6月からユニフォームを1996年春まで使用していたものと同じデザインに戻した中京大中京高。シンプルの極みともいえる真っ白な無地の背にエースの証である「1」を背負うのは、2年生の高橋宏斗だ。

 最速148キロを誇る右腕は順調すぎるほどの成長曲線を描いている。先の秋季高校野球東海大会では津商高に完封勝利(7回コールド)を飾るなど活躍。チームを優勝に導き、10年ぶりのセンバツ出場をほぼ手中に収めた。

 この明治神宮大会は、春に先駆けてその名を全国に知らしめるには格好の舞台だ。対するは屈指の強豪・明徳義塾高。力試しの相手にはちょっと贅沢すぎる。

 だが高橋は、この大舞台でも“物の違い”を存分に見せつけた。今どき珍しいワインドアップのゆったりしたフォームから繰り出す速球は常時140キロ超を計測。さらに制球もよく、変化球も多彩なのだから手のつけようがない。

 ドラフトマニアの@yamadennis氏も「昨年から身体が一回り大きくなってフォームが安定し、無理なく力を発揮できるようになった」と評価。「大会屈指どころかドラフト上位指名候補とみなして良い」と太鼓判を押す。

 終わってみれば7回コールド、シャットアウト勝利。

 試合後、敵将・馬淵史郎は「ストレートは松坂(大輔)以上」と最大級の賛辞を送った。海千山千の名将をして手放しで褒める逸材が次に対峙するのは、こちらも甲子園常連校の天理高(18日)。

 強敵との戦いを経てどこまで成長するのか。底知れぬ能力を秘めた右腕に今後も注目していきたい。

 

あるか?中日のドラフト指名

 

 生まれも育ちも愛知県尾張旭市。小6のときにはドラゴンズジュニアで活躍した。バリバリの地元逸材である高橋は、当然中日の指名候補にもリストアップされていることだろう。

 現時点で上位、場合によっては1位候補と目されるところまで評価が急上昇しているが、それでも中日が指名に踏み切るかといえば、おそらく答えは“NO”だ。

 中日は2010年代中頃の無計画なドラフトにより生じた年齢分布の偏向を修正すべく、ここ2年は根尾昂、石川昂弥のドラ1コンビをはじめ高校生を中心に指名。ようやく偏向が解消されてきたこのタイミングで、3年連続で高校生をドラ1指名するとは考えにくい。

 過去55年間のドラフトを振り返っても、中日が3年以上連続で高校生をドラ1位指名したのは3例しかない(1970〜1972年・氏家雅行、藤沢哲也、鈴木孝政、1986〜1988年・近藤真一、立浪和義、今中慎二、1999〜2003年・朝倉健太、中里篤史、前田章宏、森岡良介、中川裕貴)。

 

地元枠ではトヨタ自・栗林も有力

 

 また大学・社会人の逸材が豊富といわれる来年のドラフトで、果たして即戦力を避けてまで高校生を指名するメリットがあるのかどうか。

 地元枠という観点でも、例えばトヨタ自動車の栗林良吏は愛知黎明高から名城大、そしてトヨタと地元の出世コースを歩んでおり、2018年のドラフトでは順位縛りが無ければ、そして梅津晃大が2位で残っていなければ中日が指名していた可能性は高かったと言われている。

 先の社会人野球日本選手権では全日本クラブ野球選手権大会の覇者・マツゲン箕島硬式野球部戦で完封勝利を収めるなど、こちらも評価を上げており、来年のドラフトで2年越しの指名に踏み切る可能性は十分あり得るだろう。

 

というわけで現時点で中日が高橋を1位指名する可能性は低そうだけど、石川昂がまさか競合するなんて思わなかったように、来春以降のパフォーマンス次第では奥川レベルの目玉に化けるかも知れないぞ

ところがどっこい、平田洋レベルに化けるかも知れんがな