ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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はじめの一歩

●3-6(68勝72敗2分)

 

「5位」ーー与田ドラゴンズの初年度に付いた順位は決して褒められるものではないが、しかし同じ順位でも去年とは全く異なり、強い手応えのある前向きな5位と評価しても構わないだろう。

ラスト5試合までAクラスを狙える位置にいたこと、阿部寿樹、加藤匠馬、柳裕也など開幕前の期待値を遥かに上回る成績を残した選手が多数いること、そして何より来季に向けて楽しみな若手が手ぐすね引いて出番を待ちかまえていること……。

今日の試合、4点ビハインドを背負い、敗色濃厚となった7回裏。“消化試合”へとモードを切り替えた先には確かな「未来」の景色が広がっていた。根尾昂、石橋康太、石垣雅海、高松渡。期待の若手たちの競演には負け試合なのに胸が踊るというめずらしい感覚を味わわせてもらった。

明日はスタートから若手中心のオーダーで臨むのか、あるいは最優秀防御率のタイトルと二桁勝利がかかる大野雄大がマウンドに立つ限りはベストオーダーで戦うのかは分からないが、おそらくどこかで根尾は出てくるだろう。単なる消化試合がそれだけで楽しみになるのだから、やはりスターは偉大である。

 

根尾、はじめの一歩

 

それにしても根尾の一軍初出場が守備での登場になるとは想像していなかった。盛り上がりという意味では大歓声を浴びながら代打出場の方が絵になりそうなものだが、あくまでも与田監督は「話題作り」のためではなく、来季を見据えたうえで実戦経験を積ませるために根尾を出場させたのだというブレないスタンスを感じた。

根尾には近い将来、チームを背負って立つレギュラーになることを期待しているのであって、そのためにどんなに状態が悪くとも二軍でスタメン起用し続けたのだ。せっかく一軍で使うからには二軍でもほとんど経験のない代打ではなく、守備を含めた全体の動きを確認したかったのだろう。

結果的に初打席こそ3球三振に倒れたものの、守備ではいきなり先頭北條史也のショートゴロを捌き、直後には高山俊の打席で4-6-3の併殺プレーを卒なくこなすなど、代打のみの出場では味わうことのできない貴重な体験を積んだ。

とは言え、いくら相手が難攻不落のPJでもストライクを2球見逃したあとにワンバウンドをハーフスイングしての三振はいただけないし、守備にしてもなんでもない送球が逸れるようでは一軍レベルでの活躍は見込めない。はじめの一歩は攻守ともに「ほろ苦デビュー」となった。

 

来季の行方はオフの身の振り方次第

 

チームの話に戻るが、仮に明日負けても借金はいわゆる暗黒期と呼ばれるこの7年間のなかで最少の「5」でのフィニッシュとなる。

開幕前にぶっちぎりの低評価を受けたチームの戦績としては、御の字とは言えないまでも一定の評価はできる結果だろう。

 

となると、ストーブリーグの動向がめちゃくちゃ大事になってくるわけだ

 

ロドリゲス流出、補強も失敗なんてことになったら目も当てられない。来季の行方は今オフの身の振り方次第だろう

 

「マネーゲームはしない」という言葉が出た時点で終了だ