ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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大野雄大、ノーヒットノーラン達成

◯3-0(62勝68敗2分)

 

前年0勝の投手が、まさかここまで鮮やかに復活を遂げるとはさすがに予想できなかった。

いや、「復活」という言葉は適切ではないかもしれない。今年の大野雄大は自身最多の11勝を挙げた2015年と比べても防御率、被打率、奪三振率ともに自己最高の数値を叩き出しており、このまま完走できれば2019年はキャリアハイのシーズンとなるかもしれない。

大辞林によれば「復活」とはいったん廃止したものなどを再びもとの状態に戻すこと。また、消失したものが、再びもとの状態に戻ること”を指すそうなので、今がまさに最盛期の大野雄には「復活」は適さず、「進化」とか「覚醒」といった表現の方がふさわしいのである。

 

そして今日、大野雄は「復活」を飛び越えてまさしく「進化」したことを126球の一人舞台でもって派手に証明してみせた。

プロ野球史上81人目のノーヒットノーラン達成。ドラゴンズでは2013年の山井大介以来6年ぶり、ナゴヤドームでの達成となると2006年の山本昌以来13年ぶりという、まさに快挙だ。

 

京田の大ファインプレー

 

のべ29人の打者と対戦し、おそらく大野雄が最もヒヤリとしたのは6回二死二塁、木浪聖也の当たりだったと思う。球足の速いゴロがセンター方向に飛んでいくのを「しまった!」といった表情で振り返ると、そこにはいたのは京田陽太。見事なポジショニングで初ヒットを阻むと、大野雄は「よっしゃあ!きょうだああ!」と雄叫びをあげ、クールにベンチに引き上げる京田を讃えたのである。

この直前、梅野隆太郎の打席での送球エラーにより完全試合を消してしまった京田が、ファインプレーでお返し”(by小野寺康之アナ)を果たし、試合後の東海テレビ「ドラHOT +」では岩瀬仁紀氏から京田のエラーについて問われた大野雄は「全然なんとも思わなかった。あれで四球を出せるなと思った」と男前に答えた。

当の京田は完全試合を消してしまったことを気に病んでいたようだが、それでも直後にファインプレーできる精神力の強さはさすが。しかもあの木浪のゴロはスロー映像で見るとイレギュラーバウンドしており、京田は咄嗟に胸にぶつけて打球の勢いを殺してから素早く送球していることが分かる。

ポジショニングから打球処理、そして送球動作まで京田だからこそ成し得た大ファインプレーだと思う。

 

2006年との奇妙な符合

 

9月半ばの阪神戦、ナゴヤドーム、土曜日、デイゲーム、サウスポー……。単なる偶然の巡り合わせか、はたまた運命か。2006年の山本昌のノーヒットノーランを知るファンなら、どうしても重ね合わせずにはいられない、そんな符合する事柄がやけに多い快挙でもあった。

中盤、味方のエラーで完全試合が途切れるのもそう。最後は俊足打者のサード強襲(2006年は赤星憲広の三塁ゴロ)で終わるのもそう。そして今日の試合、東海テレビで実況した森脇淳アナは13年前の快挙でもやはり実況を担当しており、今回解説者として隣の席にいたのが13年前の当事者・山本昌氏だったというのも縁を感じる。

だが今回は、前回のように快挙の翌日にあっさり負けるところまでは似なくてもいいぞ、と。切に思うのであった。

 

おいおい、ノーヒットノーランの翌日に負けた空気読めない投手は誰だよ、まったく!

 

朝倉だね

 

あ、なるほど