ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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胸のすくような勝利

◯3-2(57勝65敗2分)

 

胸がすく
心中のつかえがなくなる。心が晴れやかになる。痛快である。(三省堂 大辞林 第三版)

 

敵地での巨人戦スイープを決めた今宵の試合は、今季124試合目にして初めて見るような、まさしく胸がすく最高の勝ち方だった。

6回までは両軍スコアレスの投手戦。だが訓練されたファンならよく分かっているように、この球場でこの展開はどこかで巨人が一発ホームランを打って均衡を破ることが約束されているようなもの。

そのパターン通りに7回裏、代打・ゲレーロの一発で遂に試合が動くと、山本拓実の動揺につけ込まれて重い2点目も献上してしまう。今季のこれまでの戦いであれば、この2点目が致命傷となり、追いつかない反撃をするも一歩及ばずーーとなるのがお決まりだった。

 

だからこそ8回表、代わった中川皓太とマシソンから一気に3点を奪っての鮮やかな逆転劇は正直予想していなかったし、特に石垣雅海が打ったタイムリー二塁打は、嬉しさやら感動やらが入り混じって落涙を禁じ得ないほどだった。

巨人打線に真っ向から立ち向かった2年目山本を3年目石垣が援護し、さらにベテラン福田永将が貫禄の逆転打で勝利を手繰り寄せれば、盤石のリリーフ陣もちょっとしたピンチを作りながら要所を抑えて逃げ切るという理想的な試合展開。

当ブログは今季、勝っても負けても全試合を振り返っているが、ようやくこういう試合について書けたことが嬉しくて仕方がない。そうだよ、これだよ、こういう試合が見たかったんだよ!思わずそう叫んでしまいたくなるような、本当に胸がすく勝利だった。

 

阿部を下げた原監督の見誤り

 

あと一本が出なかった巨人と、ただ一度のチャンスをものにしたドラゴンズ。その分水嶺は6回裏、阿部慎之助の四球の場面にあったと思う。

両軍共にスターティングメンバーを動かさずに6回まで進んだこの試合、先に動いたのは原監督だった。一死一塁となり、阿部に代走・重信慎之介を送ったのだ。盗塁にも成功し、一見妥当な采配だったようにも思えるが、ドラゴンズサイドからすれば早い段階で阿部を下げてくれたのは本当に助かった。

このままスコアレスないし僅差で進んだ場合、8回か9回あたりに必ずもう一度回ってくる打者・阿部は脅威そのもの。勝負どころでの怖さという点では巨人打線でも屈指の強打者が丸々ごっそり抜けるのだから、打線全体の迫力もずいぶんと変わってくる。

実際に8回裏、先頭で回ってきた“5番重信”はロドリゲスのツーシームに初球から手を出してあっさり打ち取られている。これがもし阿部だったら、あるいは同点ホームランを打たれることも十分あり得ただろう。

僅差の展開においては、一発の怖さを持つ打者が一人でも多い方が相手に与えるプレッシャーは強くなる。そのなかでも最強クラスの脅威である阿部を早々と下げた原の“見誤り”がドラゴンズベンチに勇気を与えたのだ。

 

原も耄碌したね

 

ああ。昔なら代走の切り札……すなわち鈴木尚広は、9回に陽岱鋼の代走として出てきたはずだ

 

もう還暦だからね。勝負どころを見定める力も衰えてきたのかもね