ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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天敵撃沈

◯4-1(51勝62敗2分)

 

今季ドラゴンズ打線の前に立ちはだかる天敵は3人。巨人菅野、DeNA平良、そして広島大瀬良である。この3人が先発した試合は0勝11敗とシャレにならないほどカモにされており、なかでも大瀬良には3度の対戦で3完投(1完封)を許すというやられっぷりで、贈答品のひとつでも頂戴したいくらいの大得意様になってしまっている。

ただ大瀬良との顔合わせはシーズン序盤に集中したため、今日の対戦は5月22日以来3ヶ月ぶりとなるご無沙汰。しかも当時は1.85だった防御率もしばらく会わぬうちに3.03と平凡な数字に落ち着いており、今までのようにはやられないだろうというのが試合前の個人的な見立てだった。

 

流れ変えた福田の一発

 

今日はいけるかもしれないーーそう期待したからこそ5回までの凡打の山には頭を抱えたし、5回終了時点でビハインドだった試合の勝率は云々というお馴染みのネガティブデータが脳裏をよぎり、はっきり言って途中までは4度目の完投負けを覚悟したほどだ。

6回裏も簡単に2アウトを献上し、残り3イニングでいかに1点を奪うのか、皆目見当がつかない中でフルカウントから福田が放った一撃は広いナゴヤドームの最深部・バックスクリーンに吸い込まれた。何度塁を賑わしても入らなかった1点がたった一球で舞い込む、ホームランが正義たる所以をあらためて証明した福田の一発に、眠っていたドラゴンズ打線が目を覚ました。

あれよあれよと言う間に3者連続二塁打で一気に3点を取り今季初めて大瀬良をマウンドから引きずり下ろすと、代わった中村恭からも藤井がとどめの二塁打を放ち4点目。これで勝負あり。これまでの鬱憤を晴らすかのような二死走者なしからの鮮やかな猛攻だった。

 

だからホームランは正義なのだ

 

それにしても、たった一球でここまで流れが変わるとは。普段見慣れていないので(やられる事はしょっちゅうだが)実感に乏しかったが、やはりホームランの威力は計り知れないものがある。仮に福田の打球がフェンス最上段に当たる二塁打止まりだったなら、その後の猛攻はあっただろうか。スポーツに「たられば」は厳禁だが、おそらくナゴヤドームの広いフィールドと高いフェンスを恨みながらスコアボードに刻まれる「0」を眺めることになっていたのではないか。

ベンチには勇気をもたらし、相手投手には失望を与える。試合展開を一瞬にして変えるホームランの力をあらためて感じた。となると、ますますテラス設置への切望が強くなるわけだが、22日付の中日スポーツのコラムコーナー「龍の背に乗って」でも今後打線強化を図る上での課題のひとつとして「本拠地改造」という文言が登場するなど、あながち一部ファンの要望では片付けられない程度にはリアルな検討課題として球団内での議題に上がっているようだ。それがさっそく来季から実現するのか、先延ばしするのか、あるいはナゴヤ球場から先に着手するのかは分からないが、今日のような試合を見てしまうとすぐにでも設置して欲しいと心底思うのであった。