ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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外野ユーティリティ武田

●3-4(49勝60敗2分)

 

33日ぶりに高橋周平の名がスタメンに並んだこの試合、しかしそのお祝いムードをも搔き消すほどファンの間で物議を醸したのは2番レフトに抜擢された武田健吾の名前だった。

目に余る拙守でスタメンを外された福田に代わり、守備に定評のある武田が選ばれるのは何ら不思議なことではない。にもかかわらず激しい批判が飛び交うのは、まだファンの間で武田という選手の能力が認知されていないからに他ならない。これに関しては首脳陣の起用法にも問題がある。

あらためて確認するが、武田の長所は12球団でも指折りの守備力と肩の強さにこそある。ところが先日まで武田は終盤に代打で出場してそのまま退くことが多く、私は「英智を代打要員で使っているようなもの」とかつての守備名人を例に挙げてこの起用法に疑問を呈してきた。武田のことをよく知らないファンが打席内容だけ見て「早く二軍に落とせ!」と憤っているのも悔しかった。

それだけにこの3連戦、首脳陣がようやく武田の正しい使い方に気付いたのか、終盤に守備要員として出場するのを見て安心していたので、今日の唐突なスタメン起用には確かに意表を突かれた。ただ平田を使えないとして残っている外野手は藤井、友永、そして武田の三択。実績なら言うまでもなく藤井だが、7年連続Bクラスがほぼ確定的になりつつあるこの時期に38歳の大ベテランをスタメン起用するのもやや違和感がある。そうなると守備に難がある福田の代役として武田に白羽の矢が立つのは、やはり必然なのである。

 

チーム浮沈のキーマン

 

結果的にアンチの意に反してマルチ安打をマークした武田ではあるが、英智になり得るだけの守備ポテンシャルを持つ一方で2017年には219打席に立って打率2割9分5厘(OPS.683)を記録しただけの打力を秘めた選手でもある。

それでいてまだ25歳。果たして今のドラゴンズにこの年齢でこの実績を残し、なおかつトップレベルの守備力を持つ外野手が他にいるだろうか。移籍してきてからは一貫してレフトを守っているが、オリックス時代は外野3ポジションを股にかける“外野ユーティリティ”的な使われ方をしており、そろそろ衰退期に入るであろう大島、怪我がちな平田に頼りきりではいられないことを考えても、今後を見据えたときに武田はチーム浮沈のキーマンと言っても過言ではないのだ。

とは言え、確かに12球団見渡してもそうそうお目にかかれないほどのフリースインガーっぷりーーすなわちボール球スイング率の高さには苛立ちを感じてしまうことも多々あるが、トレード入団した即戦力としてではなく、光るものを持つ25歳として見れば寛容にもなれるのではないだろうか。

 

でもやっぱり守備ありきの選手だからね。代打要員での起用はおかしいよ

 

守備はかなりうまいが打撃にいろいろ難のある、それでもそこそこ打てる選手……外野の京田かな