ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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初めてのカタルシス

◯10-8(47勝57敗1分)

 

巨人が7点ビハインドをひっくり返せば阪神は奇跡の逆転サヨナラ3ラン……。連日、他球団が派手な逆転劇を繰り広げるなか、ドラゴンズは淡々と負け試合を負け試合として消化し続けて104試合。交流戦の終わり頃から誰かが数え始めた「5回終了時ビハインドの勝率」は遂に0のままお盆を迎えてしまった。

胸のすくような大逆転はプロ野球観戦の醍醐味だが、それが今季ただの一度も無いのだからたまったものじゃない。しかも、“やる”ことはなくても“やられる”ことはしょっちゅうなのだから、盆休み真っ只中のナゴヤドームのチケットが完売していないと聞いても不思議にも思わない。

大抵の物語では起承転結の「転」の部分で主役はピンチに陥るが、「結」で形勢逆転して最後は勝利を収めるもの。ところが今季のドラゴンズは延々と「結」のない虚無的な試合を繰り返してきた。バッドエンドの可能性が極めて高い作品をいったい何が悲しくて家族連れで観に行くというのか。単館上映のマニア向けならともかく、たくさんの子供を含めた4万人近い観衆が望むのは圧倒的なカタルシスと最高のハッピーエンドである。

 

遂に出た!今季初の逆転勝利

 

105試合目。もう今年は逆転勝利を見られないままシーズンを終えるのではないか。そんな不安がリアルに差し迫るなか、遂にファンが待ち焦がれていた瞬間がやって来た。2点ビハインドの6回、平田のタイムリーで1点差とすると、二死満塁から阿部が押し出しを選んで同点とし、打席には福田。今までならここで同点止まりに終わり、終盤に勝ち越される「いつものパターン」にハマる展開だ。

それでも一縷の望みを信じて応援し続けてきたファンの想いに応えるように、福田が捉えた打球はぐんぐんと伸び、ライトスタンドの最前列に突き刺さった。勝ち越し満塁ホームラン。今季初めてのカタルシスは、前日痛いエラーを犯した福田による一発という点にも意味があった。

 

これで5回終了時ビハインドの連敗は39で止まり、通算1勝39敗となった。こういうのは一度止まると今までの糞詰まりが嘘のように2勝目、3勝目が転がり込んでくるものだ。残り38試合。まだまだAクラスは射程圏内だと思っている。“逆転のドラゴンズ”がいよいよ牙を剥いた。

 

結局ビターエンドに終わった件は触れなくてもいいか

 

ク、クローザーは何点取られても最後を締めればOKだから……

 

締めてないけどな