ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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咲き誇れ梅の花

◯4-1(48勝57敗1分)

 

今年からイレブンスポーツの二軍中継が始まり、二軍選手のプレー映像が見られるようになった。特に一軍出場経験のない選手は去年までなら現地まで足を運ぶしかちゃんと見る手段がなかったので重宝している。昼間の二軍、夜の一軍といった具合に一日中ドラゴンズにどっぷり浸かれるのはそれだけでも幸福なことだが、一軍が苦戦を強いられる中で未来を担う若竜の躍動が一服の清涼剤になっている方も少なくないだろう。

ただ所詮は二軍だ。はっきり言って目を見張るようなプレーを見せてくれる選手は少ないし、いくら二軍で好成績を収めても一軍ではからっきしという選手を何人も見てきたから期待しすぎるのが良くないことも分かっている。そうなると自然と選手を見定める目も厳しくなるのだが、そんな私のお眼鏡にかなった数少ない選手の一人が長身の背番号28、梅津晃大だった。

 

想定より早い一軍デビュー

 

8頭身はありそうな抜群のプロポーションは、俳優のような小顔と長い手足によって187センチという身長以上のスケールを感じさせる。だが驚いたのは恵まれた体格ではなく、その長い腕から繰り出される唸るようなボールを目にしたときだった。

タメを作って重心を下げるゆったりとしたフォームから、まるで鉛のように重みのある球がミット目がけて飛び込んでいく。擬音を付けるなら、「パシッ」でも「バシッ」でもなく「ズドン」。大袈裟ではなく、一軍でも即座に通用するであろうことを確信した投手は梅津ただ一人だった。

だが学生時代から故障が多いことに加えて1月の合同自主トレ中にインピンジメント症候群を発症するなど、過去多くの“名投手になるはずだった無念の投手たち”がそうであったように、まずは万全の状態で一軍に上がれるかどうかが第一関門として立ちはだかった。開幕前、梅津本人が掲げた「閉幕一軍」という一風変わった目標は冗談でもなんでもなく、シーズンが終わるまでになんとか一軍の土を踏み、降格することなく閉幕を迎えたいという切実な想いであろう。

その目標から逆算すると、8月12日のプロ初登板初先発は想定よりも早いペースかもしれない。現にファンの間でも梅津は今年中に一軍のマウンドに立てれば御の字との見立てが強かったので、この時期に見られるだけでも順調すぎるくらいだ。

 

忘れていた運命の5回

 

試合が始まるやいなや、いきなり福留にタイムリーを浴びる厳しい立ち上がりとなった。しかしこれで崩れないのがこの投手の強さだ。2回には三者三振を奪い、6回の先頭・近本の見逃し三振では雄叫びをあげながらガッツポーズ。イニングを経るごとに球の勢いが増し、3回以降は何も心配せずに悠々とその投球を堪能することができた。

あまりにもスイスイと通過するので意識することも忘れていたが、多くの投手が欲をかいて泣きをみてきた勝利投手の権利がかかる5回もランナーを出しながら難なくクリア。並のルーキーなら一死から高山を出したところで動揺しそうなものだが、努めて冷静にストライク先行での勝負を貫いた梅津の非凡さを感じたイニングだった。

 

ルックスもいいから女性ファンが多く付きそうだ。イケメンコンテスト1位の堂上もファン流出阻止のために必死で打ったんだろうね

 

そんなんで打てるならいつも打ってくれよ……