ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

フィールディングの明暗

●4-5x(46勝57敗1分)

 

小笠原慎之介が一軍のマウンドに帰ってきた。試合自体は例のごとく悲惨な(それでいてある程度予想のつく)結末が待っていたが、今日に関しては小笠原の元気な姿を見られた事こそが他の何ものにも代えがたいほどの収穫だったと断言したい。

思い起こせば昨年オフに左肘遊離軟骨の除去手術を行った際には開幕には間に合うとの話だったはずが、キャンプ半ばの2月中旬、手術後初めて捕手を座らせて投球を行った直後に今度は左肩痛を発症。しかも復帰時期は未定ときたものだ。相次ぐ利き腕の故障には、万全の状態での復帰は二度と叶わないのではないかとさえ覚悟したほどだ。

ただでさえ育成が困難といわれる高卒左腕。たしかに球団の近現代史を紐解いてもまともにローテ投手として働いたのは今中慎二、野口茂樹くらいしか思い浮かばない。しかも両者とも故障が致命傷となって不完全燃焼のまま引退を余儀なくされたのも実に不吉である。

 

だからこそ小笠原がこの時期に一軍に帰ってこられたことが嬉しくて仕方ないし、何よりも投球内容が素晴らしかった。初回に飛び出した151キロのストレートはプロ入り後最速を更新。仮にこれが計測ミスだとしても、140キロ台後半のボールを常時投げていたのは事実だ。2回の無死一、二塁のピンチでは石田の犠打を落ち着いて捌きゲッツーを取るナイスフィールディングを披露。このあたりのセンスはさすが甲子園優勝投手といったところか。

結局、6回先頭の伊藤にホームランを浴びたところで早々と降板となったが、復帰初戦であることを考慮すれば妥当な判断だろう。ピンチを堰き止めるフィールディング、そして3点目のきっかけとなった自らのヒットなど、勝つためには何が必要なのかを随所で示してくれた復帰戦だったと思う。

 

噂には聞いてたけど、本当に体型がシャープになってたから驚いたよ。よほどシビアなダイエットでもしたんじゃないか?

 

そのダイエット法、田島にも教えてやって欲しいぞ

 

祖父江の軽薄さ

 

病み上がりの小笠原が好投をみせ、打線もなんとか4点を取った。こうなりゃ何がなんでも勝ちたい展開ではあったが、今夜はロドリゲスが踏ん張りきれずにまず同点。そして9回裏、7日の巨人戦に続いてまたしても祖父江の守備のミスが悪夢のサヨナラ負けに繋がる。タイミング的に難しい判断だったのは分かるが、よりによってあの場面でミスするのが祖父江の弱さを物語っている。

投手にとってフィールディングはチームを、そして自らを助けるための重要なプレーだ。うまく出来ないのであれば、少なくとも僅差の展開では祖父江は使えないという結論に至る。大和への軽率な攻め、まずいフィールディング。この回の祖父江は何一つ良いところがなかった。唯一挙げるとすれば9回で終わらせたおかげでリリーフ陣の消耗を抑えられたことくらいか。入団6年目、今さら「フィールディング苦手です」は通用しない。