ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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ビシエドの厄日

●2-7(45勝54敗)

 

何をやってもうまくいかない日というのがあるものだ。ちょうど変わったばかりの長い信号に引っかかり、やっと渡れたと思ったら忘れ物に気付き、電車もあと一歩のところで乗り損ね、憂さ晴らしに音楽でも聴くかと思えばイヤホンが鞄に入ってなくて……そんなグダグダな日が誰にでもあるように、きっと今日はビシエドにとっての厄日だったに違いない。

昨日5打席全出塁を果たして打率も一気にリーグ4位まで上げてきたビシエドは、今日も初回いきなり重要な局面で打席を迎えた。アルモンテが先制タイムリーを放ち、なおも押せ押せムードの一死一塁。ここでビシエドも続けばビッグイニングの機運も高まり、場合によっては一気に主導権を握ることができる。4番のバットに懸かる期待も大きかったのだが、フルカウントからの8球目を見送って三振に倒れ、さらにスタートを切っていたアルモンテも楽々刺されて最悪の三振ゲッツーとなり万事休す。先制点を取ったことも忘れてしまうくらい嫌なムードの漂うプレーになってしまった。

それにしてもアルモンテが単独で走るとは考えにくく、状況的にもおそらくビシエドがランエンドヒットのサインを見落としたのではないかと推測されるが、だとすれば試合全体の流れを左右するミスになってしまったのだから残念でならない。

 

だがビシエドの受難はこれだけに留まらず、今度は守備でその裏、一死満塁から青木のゴロを弾く痛恨のタイムリーエラーを犯してしまう。難しい体勢ではあったし仮に捕球していてもタイミング的に微妙だった気もするが、記録は記録だ。

結局、今日の試合は初回に飛び出したビシエドの攻守でのミスが致命傷となり神宮7連勝の夢も夏の夜空に儚く消えていった。それでも私はビシエドを責める気にはならない。冒頭にも書いたとおり誰にでもうまくいかない日はあるものだ。こういうのは注意や努力で回避できるものではなく、ロシアンルーレットのように「当たってしまったら仕方ない」と割り切るしかないものだ。だからビシエドも敢えて反省なんかせず、さっさと寝て忘れるのが一番だ。

 

でもビシエドは生真面目な性格だから尾を引かないか心配だね

 

ビシエドが福留並みの鬼メンタルの持ち主なら安心なのだが……

 

ドラカルト

1999年9月4日広島市民球場でのカープ戦。あまりのショート守備の下手さから一時的にレフトへコンバートされた福留だが、なんてことないレフトフライをまさかの落球。優勝を目前にして痛いサヨナラ負けを喫してしまう。翌朝の朝食会でさぞかし落ち込んでいるであろう福留をどう元気づけようかと高代コーチが思い悩んでいたところ、先に福留当人からこう声をかけてきたという。「あれ、高代さん暗い顔して、なんかあったんすか?」。そのとき他のチームメイトがずっこけたのは言うまでもない。常人離れした福留のメンタルの強さをよく表したおもしろいエピソードである。(立浪和義講演会より)