ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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希望という名の光

●0-2(41勝48敗)

 

憤懣やるかたない敗北から一夜明け、寝起きは最悪、超ダウナーなテンションで始まった今日という一日は、しかし昼過ぎには梅雨明け間近の空と同じく晴れやかな気分になっていた。その理由は言うまでもない。ウエスタンリーグでの根尾ならびに若竜たちの胸がすくような活躍のおかげである。

7月になって明らかに一皮向けた感のある根尾は今日もフェンス上段直撃のツーベースを含むマルチ安打を記録し、一時はどうなることかと思った打率も1割9分6厘まで上昇。高卒ルーキーのひとつの目標となる2割到達も時間の問題だろう。

そして開幕当初は目を覆いたくなるほどの拙さだった守備面も見違えるように上達し、今や1試合に1個はファインプレーを見せてくれるまでになった。小笠原監督、森野コーチ、荒木コーチによる盤石のバックアップに加え、ここ二日間の中日スポーツに掲載された独占インタビューからも垣間見えるように、未成年離れした異様な意識の高さは健在。いったいどこまで進化を遂げるのか、今から来季、さらにその先まで楽しみにさせてくれるオンリーワンの存在であることは間違いない。

 

とは言え入団当初の期待値でいえば、むしろこのくらいはやって当然だし、やってくれなきゃ困るのも確かであり、「ようやく出てきたか」というのが率直な感想である。一軍ではライバルの小園が連日スタメンに名を連ね、未熟ながらも立派に働いている。利口な根尾のことだから必要以上に焦ることもないのだろうが、不甲斐ないチーム状況的に本気で“猫の手”ならぬ“根尾の力”を借りたいと思いつつあり、近いうちの一軍デビューもかなり現実味を帯びてきたと思う。

 

育成推し勢からは反発の声が出るだろうけどね

 

そのあたりは難しいところで、正解はもちろんない。一番近くで見ている小笠原監督の判断を信じるしかないだろう

 

山本だ!石橋だ!若竜たまらん

 

今日の先発は山本拓実とジョンソン。その意味でも昨夜の敗戦は痛かったのだが、変に保守的にならずに石橋をスタメン捕手に抜擢できる思いきりのよさは与田ドラゴンズの長所だ。残念ながら初回から若さがもろに出る内容となってしまったが、それでも山本と石橋のバッテリーで負けるなら仕方ない、そう思えるだけ随分と前向きになれるものだ。

話は戻るが二軍の躍動も実に清々しい。根尾だけでなく、伊藤康、滝野、高松など楽しみな若手がそれぞれ持ち味を生かして必死にプレーする姿はまさに明日への財産。夏場に野本が4番を打つなど、ただただ漠然とした不安に苛まれるばかりだった昨季と比べればその差は歴然である。

 

近年のドラフト戦略の確かさによって、少しずつではあるが希望という名の光が見えてきたドラゴンズ。昨夜の采配に限っていえば確かに度を越して酷いものだったが、それでも「与田辞めろ!」と言う気はさらさら無い。昨年まで森繁が蒔いた種を使いつつ、さらに来年以降の希望を育てているのは明白で、借金が7となった今もなお契約期間の3年間は絶対に今の首脳陣のまま満了して欲しいと、私は心から思っている。