ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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7月7日、天晴れ

◯7-1(34勝43敗)

 

加藤匠馬が二軍行きを命じられた。今季56試合に出場している実質的な“正捕手”の降格に少なからぬ動揺を感じたのは私だけではないだろう。特に節目というわけでもないこのタイミングでの降格は予想していなかったし、開幕前に中村武志コーチは「よほどのことがない限り加藤は二軍には落とさない」と豪語していたはずだ。

ちなみに「よほどのこと」というのはナゴヤドームで1イニングに大量失点を喫する事だそうで、加藤が最後にこの禁忌を破ったのは5月4日のヤクルト戦まで遡る(5回表に柳が7失点)。そのため今回の降格はこれが理由ではなく、伊東勤コーチ曰く「ここまで頑張ってきたけどまだまだ物足りない。勉強してきて欲しい」のだそうだ。

持ち味である強肩を生かした盗塁阻止には何度も救われたが、一方で捕手に関する基礎的な技術については素人目にも不足しているのは明らかだった。あれだけの強肩を誇りながらも盗塁阻止率が2割9分に留まっているのは、それだけ他のことに気を取られて集中力が散漫になっているからだろう。

チームの借金も嵩み、加藤へのバッシングも目立ってきた。ただでさえまともに一軍に出場した事がなかった選手にとっては色々な面でキャパオーバーを起こすのは仕方あるまい。心身ともに疲労困憊であろうこのタイミングでの降格は、決して失格の烙印ではなく一時的な休養を兼ねた再修行という意味合いが強そうだ。

松井雅人をトレードで放出した今、加藤が担うべき役割はますます重くなっている。前半戦で得た経験を生かし、次に昇格する時にはひと回り成長した姿を見せてくれるだろう。正捕手獲りとはならなかったが、加藤が貴重な戦力である事には何ら変わりがない。

 

天晴れ!石橋、歴史的デビュー

 

そして加藤と入れ替わりで一軍に呼ばれたのは、なんと18歳の石橋康太だった。高卒ルーキーが一年目に一軍の土を踏むのはドラフト制後、チーム初の快挙。まさにドラゴンズの歴史を塗り替える記念すべき日になった。

売りは高校通算57本塁打を記録した強打。そのふれこみ通り、既にウエスタンでは4ホーマーを放ち、OPSは山田哲人の一年目と同じ.662をマークしている。だが、かつての福田永将のように打撃に全振りしたタイプかと思いきや、石橋の最大の魅力はむしろそれ以外の部分にあるから凄い。キャッチングセンス、盗塁阻止能力、そしてドシっと構えた“女房力”とも言うべき存在感。捕手に必要なすべての能力を兼ね備える石橋には、見る者すべてに「将来の正捕手だ」と言わせるだけの説得力がある。

だから今回の昇格も「まさかの」ではなく「満を持して」という感じが強く、今日の8回裏、代打コールへの万雷の拍手が、まさにファンの期待度をよく表していた。十中八九は三振を喫する高卒ルーキーの初打席にして、形はどうあれ一塁ベースを踏むことができたのも、持って生まれた物の強さを感じさせてくれる。

大いなる歴史の第一歩を踏み出した石橋。その裏では根尾が初の猛打賞を記録。案ずることなかれ。ドラゴンズは着実に前に向かって進んでいるのだ。

 

白井オーナーも着実に100歳に向かって前に進んでるよね

 

そろそろ進むのやめていいぞ