ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

福笑い

◯3-2(35勝43敗)

 

オープン戦での福敬登の評価は「頑張れば左のワンポイントになれるかも知れない」というものだった。当ブログでも3月5日に「福を呼ぶ男」というエントリーで福のことを取り上げているが、やはり小林正人の後釜(と言うには随分時間が経過したが……)という位置付けでの内容となっている。

その後、惜しくも開幕一軍メンバーを逃し、5月に入ってようやくお呼びがかかった事を考えれば、急場凌ぎとは言え、まさか前半戦のうちにセットアッパーを任せる事になろうとは想像だにしていなかった。しかも“与えられた”ポジションではなく、17試合20イニングを投げて防御率1.35と堂々たる結果を出して掴み取ったのだから大したものだ。

 

制球王・福

 

特に今日のような試合は終盤のちょっとした綻びが悲劇に直結しかねず、相手からみてもロドリゲスの不在は「チャンスあり」と前のめりに捉えていたのではないだろうか。セオリー通りR.マルティネスに繋ぐためにも8回表は間違いなく今日のポイント。そこに抜擢されたのが祖父江でも岡田でもなく福だったというのは、あるいは今後の戦い方を示唆する重要な采配だったように思える。

さて、肝心の投球内容だが、こういう時に一番避けなくてはいけないのが先頭打者への四死球であることは周知のとおり。その点では与四球率1.87を誇る福は打ってつけと言える。この数字は今季10イニング以上投げたドラゴンズの投手の中で最高値。すなわち四球から崩れる可能性が最も低い投手である福は、期待通りテンポよくストライクを取りわずか13球(1被安打)でこの回の反撃を断った。ちなみにチーム内のリリーフ投手で福の次に与四球率が低いのが祖父江の2.82なので、いかに福が優秀なのかがお分かりになるだろう。

制球力は生まれ持ってのセンスが8割を占める項目だ。いくら速い球や強力な決め球を持っていても制球力不足に泣いてユニフォームを脱いだ投手は数知れず。安定した制球力を持つ福は、それだけでプロで飯を食べていけるほど貴重な才能に恵まれているのだ。

 

ちなみにチーム内で一番与四球率が悪いのは誰なんだ?

 

清水達也の6.89だ。ほぼ毎回ひとりは四球で出塁されるイメージだな

 

2年越しのエース対決

 

そんなわけで明日の先発は“ノーコン王”清水。今日の試合後インタビューで与田監督も言っていたが、初回から失点しても気にしないくらいの思い切りある投球を期待したい。

奇しくも相手先発は同級生の山口翔。2年前の夏、甲子園を懸けた県大会でエース山口を擁する熊本工はまさかの3回戦敗退を喫した。かたや花咲徳栄(埼玉)の清水は全国を制し、歓喜の輪の真ん中にいた。対照的な“最後の夏”を経験した二人が、叶わなかった直接対決をプロの舞台で果たす。今年もまた、熱い夏が来る。