ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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腕を回して体操でもしてるのか、あのおじさんは

●1-3(33勝43敗)

 

問題のシーンは7回裏にやって来た。2点ビハインドで迎えたこの回、高橋がこの日3本目のヒットで出塁すると、代打アルモンテの二飛を挟んで打席には藤井。意外性の男はその期待どおりフェンス直撃のツーベースを放ち、たちまち一死二、三塁のビッグチャンス到来。しかもネクストは長打力を秘めた木下だ。

誰もが今季初めての逆転ゲームを見られるかもしれないぞと胸をときめかせた次の瞬間……なんと、またしても、例によって、三塁コーチャー奈良原が腕をぐるぐると回しているではないか。

百歩譲ってランナーが京田や大島ならまだ分かる。それでも際どいタイミングにはなりそうなものだが、あろう事かランナーは、あの山﨑武司が「俺より足が遅い」と仰天したという筋金入りの鈍足・高橋周平である。その高橋に対して2点ビハインドで無理をさせる意味など皆無。

なんなら、むしろヤクルトの守備陣が一番驚いたようで、中継に入った廣岡が「え!突っ込むの!?」と戸惑ったようにボールを握り直し、一拍入れて送球しても余裕の余裕で間に合うという超弩級の“ザ・暴走”であえなくタッチアウト。この日最高潮のムードは一瞬にしてお通夜へ様変わりした。

また試合後のコメントで与田監督がこの判断に関して「積極的なプレーと捉える」と奈良原を庇った事に対して怒りの声が噴出しているが、これに関してはマスコミへの取材で監督がコーチをボロクソに貶すわけにもいかないだろうし、文字通りに受け取るのは少々安易かなと思う。

 

非情の決断が迫られる

 

とは言え奈良原が致命的な判断ミスを犯すのはこれが初めてではない。つい2週間ほど前にも、やはり無理すべきではない場面でホームに突っ込ませて悠々アウトという失態を犯したばかり。それまでにもドラゴンズの三塁コーチに就任して以来、度々やらかしており、今やファンの間でも「壊れた信号機」というイメージがすっかり定着してしまった。

走塁判断はセンスによるところが大きいので、おそらく今後も同様のミスを繰り返す可能性は高い。それでも奈良原を三塁コーチャーズボックスに就かせ続けるのか、あるいは配置転換を命ずるのか。後者だとすれば与田にとっては非情の決断になるわけだが、仏の顔がそう何度も続くとなると選手への示しも付かないだろう。

シーズン中のコーチ配置転換は決してめずらしい事ではない。あまりにも目に余る今日の判断を見れば、これ以上任せておくわけにはいかないと思うのは自然な事である。