ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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救い投げ!

◯4-1(27勝35敗)

 

昨日の敗戦は結果もさる事ながら、勝ちパターンのリリーフをゴリゴリに消耗した挙句に3連投のライデルが34球も投じて負けた事こそが最大の問題点であった。おかげで今日はどんな展開になろうとロドリゲスとライデルは絶対に使えないという厳しい制約に縛られる事になり、勝ち試合ではほぼこの二人に頼ってきた与田監督が果たして僅差で終盤を迎えた時、どのような継投を見せるのかが密かなポイントだった。

だが、勝ち試合の心配をしている場合でもなく。ただでさえ昨夜のショックが尾を引いているのに、大阪から千葉への長距離移動、リリーフの制約、さらに今日は習志野高校吹奏楽部による美爆音応援の開催日でもあり、考えうる限りでドラゴンズに対する追い風は何ひとつ無い状態だったのだ。

そんなわけで先発マウンドの柳裕也に課せられたミッションはとにかく長いイニングを投げる事。最低6イニングはノルマで、できれば7イニング。だがダブル外国人を使えない事を考えれば、勝ち試合なら完投が必須。試合前に井端解説員が「きょうのポイント」にあげたのも、やはりこれだった。

 

 

お見事!ノルマ完遂で7勝目

 

厳しすぎるノルマに対し、柳は満点回答で応えてくれた。プロ入り後は打たせて取る投球にシフトしていた柳も、今日は大学時代に戻ったかのような奪三振ショーで獲りも獲ったり13個。スピードこそ初回に出した144キロが最速と現代野球においてはかなり遅い部類に入るが、今日はスライダーの精度が素晴らしかった。速球と同じ腕の振りで投じられるスライダーは打者から見れば「消えた」という感覚に陥るのではないだろうか。

柳といえば怪我の影響で学生時代のような150キロの速球が投げられなくなり、入団以来ずいぶん苦労したものだ。だが今年、ローテ投手として週に一度マウンドを任されるようになり、140キロ台前半のボールでも抑えられるコツのようなものを掴み始めたのだろう。このあたりのセンスはさすがドラ1。心なしかピンチを抑えて吠える姿も大学の先輩のあの人に似てきたように感じた。

 

今季2度目の“救い投げ”

 

柳がチームの窮地を救ったのは今季2度目。前回4月7日もやはりリリーフの消耗が激しい中での先発マウンドで、この時は8回1失点で見事にリリーフ陣の休養に貢献したのだった。

そして今回はそれを上回る完投勝利。エースの条件として、“苦しい時ほどチームを救う”というものがある。例えばチームの連敗はエースが止めなくてはいけないし、リリーフの台所事情が厳しいなら完投してみせるのがエースたる者。まだ時期尚早かも知れないが、最近の柳はだいぶエースっぽくなって来たなあと。ハーラートップタイの7勝目をあげた柳の頼もしい背中を見てそんな事を感じたのだった。

 

早くもクラウン賞の受賞は間違いないかね

 

そんな中日ファンしか知らないマイナーな賞じゃなくても、他にいろいろあるだろ……