ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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座学のすヽめ

●2-5(24勝34敗)

 

神宮球場での歓喜の3連勝からわずか二週間。まるでタワー・オブ・テラーにでも乗っているかのような垂直落下であっという間に借金二桁に足を踏み入れてしまった。

ある種のボーダーラインとも言える借金10という数字は、7年連続Bクラスが限りなく現実味を帯びてきた事を意味する。過去20年間で3位チームが借金を負ったのは7例しかなく、その中での最大借金は昨年巨人が記録した4。言うまでもなく二桁借金のチームがAクラスに入った事など長い歴史を紐解いても一度もない。

ちなみに2017年は5月終了時点で借金10、1995年も6月10日時点で借金15を背負っていたので、決して歴代最悪ペースというわけではない事は強調しておきたい。

 

目に余る得点拒否打線

 

今日の試合はつい堂上のエラーに目が行きがちだが、それよりもよほど問題視しなくてはいけないのが深刻な貧打である。いや、相変わらずヒットは出ているし、連打だって出る。チーム打率もリーグ2位を維持しているので、正確にいえば貧打ではないのだが、問題はリーグ最低の219点しか入ってない得点だ。ヒットは出るのに点が入らない。この歪なバランスは長打でランナーを返せる打者や、小技でいやらしく点を取りに行ける打者が絶望的に欠けていることに起因する。

例えば昨日の試合でいえば先頭の井領がツーベースで出塁したにも関わらず、後続が進塁打すら打てずにチャンスを潰したり、今日も2回裏、高橋とビシエドの連打で無死一、二塁とするも、やはり後続が何もできずに無得点に終わったり、さらに4回裏にもタイムリーツーベースを打った高橋を二塁釘付けにして後続があっさり倒れ……かたや楽天は少ないチャンスをスクイズやタイムリーで効果的にものにし、助っ人コンビの片割れを控えに回しつつ、しっかりカード勝ち越しを決める盤石ぶり。

もちろん平田、福田が離脱し、不振のアルモンテも欠いている現状で、去年の後半戦のような爆発力が出ないのは致し方ないとも言えるが、それにしたって幾ら何でも酷すぎる。なにしろ得点を期待できるのが大島、高橋、ビシエドのバットだけなのだ。

で、ようやく伏兵が連打で繋いでクリーンアップに回せると思いきや、藤井が無死一、三塁のカウント2-0から併殺打に倒れるというコントのような流れで一縷の望みさえも断ち切られ、いい形で初戦を取ったこのカードも終わってみれば結局負け越し。しかもセリーグで一人負けというおまけ付きで、いよいよ最下位が0.5差にまで迫ってきた。

 

たぶん足りないのは座学

 

ではいったい具体的に何が足りないのか。よく“野球がヘタ”という表現を使うが、エラーも少なくヒットも打てるドラゴンズの選手達が“ヘタ”だとはどうしても思えない。むしろ高橋も京田も大島も平均以上にうまい選手だと思うし、かと言って暗黒時代の横浜のように、そもそも挨拶すらも怪しいとか、試合中にロッカールームでゲームをしているとか、そんな底辺高校のような意識の低い逸話を聞くわけでもない。どちらかと言えば真面目で明るく礼儀正しい選手達が揃っているという印象を大方のファンが持っていることだろう。

技術でも、意識でも無いとしたら、足りないのはおそらく“考える力”で、それを身につけるために必要なのは“座学”だ。試合後、あるいは翌日の試合前にVTRで反省点を振り返り、なぜこのカウントで打ちに行ったのか、何を考えて打席に立っていたのかを当事者から徹底的にヒアリングをする。今日の試合なら「四球を選べば無死満塁でクリーンアップに回る場面で、なぜ2-0から打ったのか」を藤井に問い詰め、どうすることが最善手だったのか、首脳陣と藤井とで意識を共有する、といった具合に。

 

京田なんか反省することだらけで毎日補習だな

 

地道だけどこういうことをコツコツとやってくしかないと思うぞ