ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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●1-3(23勝29敗)

 

プロの打者はあらかじめ球種が分かっていれば5割以上ヒットゾーンに打つ事ができるという。だからこそ投手は変化球を投げたり間合いを取るなどして、なんとかタイミングを崩そうと工夫するわけだが、その点でロメロという投手は極めて異質だ。

何しろ配球の7〜8割は速球。せいぜい芯を外すためのカットボールとスライダーを投げる程度で、いわゆるタイミングを崩したり空振りを奪うための変化球はほぼ使わない。それゆえに最速158キロの速球を操りながら奪三振率は驚くほど低く、またファールで粘られる事も多いため必然的に球数が増える。今日を含めて8度の先発登板で7回まで投げたのが2度。助っ人先発としては物足りないと言わざるを得ない。

試合後、与田監督はロメロについて「ストレート一本というのはね」と配球に対する不満を口にしたようだが、本人が今後も投球スタイルを変える気がないのであれば残念ながら日本での成功は厳しいだろう。

 

あれだけ速球ゴリ押しでもそこそこ抑えるんだからモノは凄いんだろうけど

 

あまりにも工夫が無さすぎる。そりゃ坂本クラスなら打つっての

 

先発がストレート一本はあり得ない

 

坂本に打たれた2本のホームランも案の定ストレートだった。その直前、重信に打たれたのもストレート。ここに30キロくらい速度を落としたチェンジアップやカーブを織り交ぜれば一気に投球の幅が広がるのだろうが、現実には粘られれば粘られるほど、ピンチになればなるほど自信のあるストレートの割合をますます増やすのでどうしようもない。打者からすればストレート一本に絞れるのだから、こんなに頭を使わずに対戦できる投手も珍しいだろう。

かつて「分かっていても打てない」という火の玉ストレートを駆使して一時代を築いた藤川球児でさえカーブやフォークを使って打者の不意を突いたのだ。ましてや同じ打者と複数回対戦する先発投手ならストレートのゴリ押しだけで1試合を乗り切ろうというのはあまりにも考えが甘い。

 

すべてはロメロの意識次第だ

 

そもそもタイミングを崩す系の変化球を一つも持っていないなら仕方ないが、実はロメロはストレートを活かすには最高の球種とも言えるチェンジアップを一応持っていて、何を隠そう今日の試合でも5球ほど投げたのだ。残念ながら5球全てがボール球だったが、この球を武器として使える程度まで真剣に磨けば、ただでさえ強力なストレートとの相乗効果で凄い投手に化ける可能性がある。

おそらく明日アルモンテと入れ替わりで抹消され、次回登板は10日以上先になると思われる。今日投げた111球のうちストレートは76球。今後、ロメロが活躍できるかどうかは僅か5球しか投げなかったチェンジアップに懸かっている。全てはロメロの意識次第だ。