ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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賭け

●2-3(19勝24敗)

 

野村祐輔の前に手も足も出ず、なんの見所もなく終わるかと思われた試合は9回、福田の一発をキッカケに突如として動きだした。

大島、ビシエドが出塁し、さらに高橋のタイムリーツーベースで1点差。なおも一死二、三塁。同点どころか逆転の目まで出てきた。しかし京田は持ち前の積極性が裏目に出てしまい三邪飛に倒れてツーアウト。試合後、SNSではこの京田の凡退を責める声が目立ったが、当然のことながら相手も抑えるつもりで向かってくるわけで、思い通りに打たなかったからといって過度に罵るのはいささか安直な感が否めない。

それよりも疑問を呈したいのはその後。堂上が四球で歩いて満塁となり、この試合最大にして最後の大チャンスで大野奨の代打として松井雅を送り出したベンチワークだ。

確かに大野奨はバットに期待が持てる打者とは言いがたいが、それでも日ハム時代から最低限の成績は残してきた。かたや松井雅はあまりの打力の無さがネット界隈でネタになるなど、限りなく期待値の低い打者としてその名を轟かせている。そんな打者があの重要な局面で切り札として出てくる。はっきり言って悪い冗談でしかない。

中崎もほぼプレッシャーを感じずに済んだのか、堂上相手に力んで四球を出したのが嘘のように松井雅相手だとポンポンとストライクを取り、いともあっさり4球で三ゴロに仕留めた。こんな緊迫する場面で松井雅がタイムリーを打つ確率など宝くじで一等賞を当てるよりも低いだろうに、一体ベンチが松井雅の何に期待したのかは永遠の謎である。

 

松井雅は右肘を突き出すようなフォームで内角球が当たりやすいから死球の可能性に賭けたんじゃないか

 

どうせ二つに一つの賭けならば……

 

あの時点でベンチに残っていたのは、友永、石川駿、そして松井雅の3人。そもそも8回に怒涛の代打攻勢で伊藤康、松井佑、阿部を無駄撃ちしてしまった見通しの甘さが9回の選択肢を狭める要因となったのだが、なんとか流れを変えようとしたが故の采配だと考えれば100歩譲って納得できなくもない。

では9回二死満塁。大野奨に代えて友永、石川駿、松井雅のうち誰を使うかとなれば、松井雅と答える人はおそらく少数派だろう。確かに残りの2人は今季まだヒットが出ていない。そういう意味では打率2割8厘を誇る松井雅を選ぶのは妥当なのかもしれないが、それだと友永と石川駿の存在意義は何なのだ。

友永は昨日までの2打席の内容が悪いので仕方がない。では石川駿はどうだろうか。5打数無安打。しかし3打席は外野に打球を飛ばしているし、何よりもウエスタンでの成績が友永、松井雅と比べれば段違いに良い。どのみちツーアウトなのだから、結果は二つに一つだ。打つか打たないか。どうせ賭けに負けるなら、松井雅ではなく石川駿で負けたかった。