ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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プライド

◯3-2(18勝21敗)

 

8回をロドリゲスが無失点に切り抜け、2点差で迎えた9回。マウンドに鈴木博が上がった時点で同点ないし逆転サヨナラ負けまで覚悟したファンは少なくないだろう。

前回の阪神戦でも3点差ありながら一発出たら同点という窮地に追い込まれ、大山に対して半ばヤケクソのような甘いコースへのカットボール連投で三球三振に抑えたわけだが、あの投球に拍手を送る者など誰一人としているはずもなく。あまりの甘さに大山が面食らって手も出なかったのではと言われる有様だ。

最後に三者凡退に抑えたのは4月27日まで遡る。ギャラードや晩年の岩瀬が可愛く思えるほど毎試合ピンチを作り、どういうわけだか最後だけはなんとか踏ん張ってセーブを記録するものの、もはや鈴木博に対する信頼度は限りなくゼロに近い。

 

1敗で済んでるのがウソのようだ

 

1敗と言っても、追いつかれた事は既に2度ほどあるけどな

 

鈴木博のプライドを尊重する意味とは

 

例のごとく今日も2人のランナーを出し、ヒット1本で同点という局面を作ってしまった。結果的にゴロ間の1点のみに抑え、クローザーの役割は果たしたが、これでまた次回もセーブシチュエーションで鈴木博が出てくるかと思うと、さすがに胃腸薬がどうのこうのと笑ってもいられなくなる。

今日に関しては9回はライデルが出てくるものだと思っていたのだが、与田監督はあくまでオープン戦からクローザーを務める鈴木博のプライドを尊重したということだ。しかし勝てば借金は3に減り、負ければ途端に絶望感が漂う5に増えてしまう。その瀬戸際で、まだクローザーを始めて間もない鈴木博のプライドを尊重することにどれほどの意味があるのだろうか。

5月6日の広島戦で悔しい逆転負けを喫した際、与田監督は「(鈴木博の配置転換は)考えていない。リーグトップのセーブ王にそういうことを考えてほしくない」とキッパリ言い切った。一度や二度の失敗でコロコロ配置転換するようなことはしないというのを与田は開幕前から一貫して言い続けており、私もこの考えには全面的に賛同している。

ただ、鈴木博の場合は自身の黒星にはなっていないにせよ、既に“事実上の失敗”を何度か犯してしまっている。それでもセーブ王なんだからと擁護するのも少々無理があるほど、鈴木博の安定感のなさは誰もが認めるところ。

与田の言葉をそのまま受け取るなら、配置転換に踏み切るのは何度か続けて抑えに失敗した時。つまり鈴木博が何度か失敗するまで我々は我慢し続けなければいけないのだ。

これが岩瀬なら「まあ、そうだよね」と納得もできるが、クローザーとしてはヒヨッ子の鈴木博のプライドを尊重するがためにチームの勝利を犠牲にするというのは本末転倒な感が否めない。

去年の田島もそうだったが、今のような投球が続くようであれば爆発炎上するのも時間の問題。昨季と違うのは、今年はライデルというジョーカーが控えていることだ。失敗してから替えるのか、失敗する前に替えるのか。少なくとも鈴木博が最後までクローザーとしてシーズンを完走する姿が私には見えない。