ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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わからない勝利

◯6-5(14勝17敗)

 

つくづく“勝ちに不思議な勝ちあり”だ。6回以降、4人のリリーフが出した四死球は合計10個を数えた。全てのイニングでピンチを迎え、谷元(2点)と鈴木博(1点)が3点を失ったものの、最後の一打をギリギリで防いで綱渡りのような勝利を収めた。

 

鈴木博なんて四死球4だぜ。それで失点1に済んだんだから、ほとんど奇跡に近いぞ

 

1イニングに四死球を4つ出したら、当たり前だけど絶対に1点は入るからな。青木、山田が絡む打順でその最低限の1点のみに抑えたのは本当に意味がわからない

 

意味がわからない事だらけの阿知羅

 

最後は本当にもう「たまたまジャンケンで勝った」くらいの感覚でしかない破茶滅茶な勝ち方だったが、それでも阿知羅にとっては嬉しいプロ初勝利となった。先週、棚ぼたで得た先発のチャンスで6回1失点と好投を見せ、中5日での登板となった今回も5回83球2失点で余力を残して降板。苦しい12連戦にあって救世主的な活躍を見せてくれている。

それにしても分からないものだ。阿知羅が今季、2軍で先発登板したのは3回。初先発の4月3日こそ7回1失点と結果を残したが、続く4月11日は4回6失点。4月19日も6回5失点と無残な結果に終わっている。この事を知っていただけに、4月29日の1軍阪神戦で先発登板すると聞いたときは、いくらスクランブルとはいえ理解に苦しんだものだ。ところが蓋を開けてみれば2週連続で好投し、チームの連敗をも止めてくれた。打低のウエスタンで防御率5.91と打ち込まれた阿知羅がなぜ1軍でこれだけの投球ができるのか。本当にわからないものだ。

 

プロ初安打となるタイムリーも記録

 

今日の阿知羅は投げるだけでなく、打つ方でも自らを助けるタイムリーを放った。2回、無死3塁から松井雅が三振を喫すると、「またか」という嫌な空気が流れる。阿知羅も三振濃厚で2アウト、平田に賭けるしかないのか……。そう思った矢先のタイムリー。結果的に1点差勝利だったことを思えば、まさに値千金の一打となった。

しかし阿知羅が元々バッティングに定評がある選手かといえば、断じてNOだ。最優秀防御率を獲得した2014年を含め、プロ入り6年間でウエスタンでも安打を記録したことは一度もない。今日のタイムリーが正真正銘のプロ入り初安打だったのだ(そもそもウエスタンは基本的にDH制を採用しているのでプロ入り通算3打席しか立っていない)。その初安打があの場面で出るなんて、本当にわからないものだ。

こどもの日、球場に集まった大勢の子供達に「世の中、何が起きるかわからない」というとても重要な教訓を与えて連敗を止めたのであった。