ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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粘りなき戦い

●2-7(14勝18敗)

 

ゴールデンウィーク最終日の締めは、翌日からの労働にも大きな影響を与えかねない悪夢のようなゲームになってしまった。

土壇場の二死から起死回生の同点打を打った広島と、その裏の二死満塁でサヨナラを決められなかった中日。そもそも高橋の大飛球を阻んだナゴヤドームの高すぎるフェンスーー。実に様々な要素が絡み合った見応えのあるイニングだったが、楽しめたのはここまで。その後の展開は語るべくもない。

以前から不安定だった鈴木博が遂にセーブに失敗した事や、一度集中力が切れると堰を切ったようにコテンパにやられるのは、ある意味で想定内であり、結果論でもある。それよりもゲーム全体を通して見た時、そこに至るまでのプロセスに問題はなかったか。この典型的な弱小チームには、“チャンスで打てるか否か”、“ピンチを抑えられるか否か”といった勝負そのものの綾よりも、ハイライト映像には表れない細かいプロセスの積み重ねが致命的に足りないのだ。

 

試合“拙”者ここに極まれり

 

この試合に臨むにあたり、広島は厳しい状況に立たされていた。前日まで2日連続で延長戦を戦い、頼みのフランスアと中崎は4連投中、一岡も3連投中とあって余程のことがない限りはこの試合で使えない。ブルペンワークに制限がある中で、先発のアドゥワに期待されるのは「少ない球数で長いイニングを投げること」。バッテリーを組んだ磯村も試合前にこの日の課題としてその点を公言しており、相手が嫌がる野球を志すのであれば、中日としては「多く球数を投げさせて早いイニングで降ろすこと」が勝利への近道になるし、できるだけ多くのリリーフ投手を引きずり出せば広島は2,3戦目のやりくりも難しくなる。目先の結果だけでなく、3連戦をトータルで考える視野を持つべきだ。

 

そして平田は初球を打った

 

プレイボールがかかり、プロ初先発の福谷が心配された立ち上がりを三者凡退で難なくクリアする。いい流れだ。攻撃陣は、とにかくアドゥワに1イニングにつき最低でも15球、できれば20球くらいは投げさせたいところ。例え点には結びつかなくても、粘りの攻撃がボディブローのようにじわじわ相手に効いてくるからだ。

ところが、先頭の平田は初球に手を出し、いきなりボテボテの三ゴロを転がしてしまう。「あれ?」という疑念が沸く。まさかとは思うが、早打ち指令など出ていないよな。ちゃんと球数を放らせるように試合前ミーティングで徹底したはずだよな?

しかし続く京田、大島も早いカウントからボール球に手を出し、あっさり追い込まれてしまう。結局この回、アドゥワはわずか8球で三者凡退に打ち取ると、予定通り6回を100球ちょうどにまとめていい流れで後続にバトンを回したのだった。

ちなみにこの日、アドゥワが対戦したのべ25人の打者のうち3球以内に勝負がついたのは実に半数以上の13人(うち3本がヒット)。粘るどころか積極的に広島側の思惑をアシストし、その流れはあの悪夢のような9,10回へと繋がっていくのであった。

 

与田監督は就任時に「相手が嫌がることを常に考える」と言ってたぞ(https://www.google.co.jp/amp/s/mainichi.jp/articles/20181016/k00/00m/050/076000c.amp

 

やはり“粘り”の代名詞・井端氏の招聘が必要なようだな……