ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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借金大王

●0-2(12勝13敗)

 

多くの人にとっては無縁の消費者金融がめちゃくちゃ儲かっているのは、それだけ世の中に借金をしてまでお金を必要としている人がいるということだ。もちろんやむにやまれぬ事情による場合もあるが、そうではない自業自得の利用も一定の割合を占めるようだ。

いわゆる借金体質というやつで、こういう人たちは年がら年中「金がない、金がない」と言いながらパチンコ、ギャンブル、女遊びに明け暮れ、タバコ代はせっせと捻出する。要は生活が雑なのだろう。

 

「闇金ウシジマくん」の登場人物は大抵がこのケースだね

 

3週間と持たずに貯金を使い切る

 

ドラゴンズが19日ぶりの借金を背負った。6年連続で借金生活を続け、ここ2シーズンは一度も貯金ができなかった筋金入りの借金体質がめずらしく貯金を蓄えてはみたものの、やはり3週間とは持たず散財してしまった。マツダでの3タテ以降、1勝5敗では仕方あるまい。

特にこの週末は初戦を最高の形で取ったにも関わらず、再び決定力不足に陥っての負け越しときたから、せっかくのゴールデンウィークでナゴヤドームに詰めかけた大勢のファンもさぞやガッカリしたことだろう。相変わらず投手陣は頑張っているだけに、出塁はするのに得点に結びつかない攻撃面での効率の悪さが非常に歯がゆい。

だが考えてみれば、もう何年もずっとこんな感じで「あと一本」が出ない試合を見続けている気がする。ひと頃に比べれば打線自体の厚みは増したものの、決め手に欠けて最後は負けるというパターン。一体このチームが長年借金体質から抜け出せない原因はどこにあるのか。今週喫したいくつかの敗戦の中にその答えが隠れていた気がする。

 

借金体質からの脱却

 

不可解な場面は6回裏だった。先頭の松井雅がセーフティバントで出塁し、ここまで好投を続けていた阿知羅に代わって打席に立ったのは渡辺勝。ベンチのサインは送りバント。だが渡辺はそれこそ素人並みの挙動であっさり追い込まれ、結局いとも簡単に三振を喫してみすみすアウトを献上してしまった。結果だけ見ればバントを決められなかった渡辺のミスだが、渡辺は去年ウエスタンで158打席に立って犠打はわずか1個。上手い下手以前にプロ入り以来ろくにバントを試みる機会もなかった選手なのだ。

ベンチがどういう意図で経験豊富な堂上ではなく渡辺を代打に送り、バントを命じたのかは分からないが、あの時点ではまだ1点差で先頭の出塁によりムードも変わった矢先だっただけに、実にもったいない代打起用となってしまった。

“もったいない”。今季、開幕して1ヶ月間で何度この言葉を思い浮かべただろうか。今週でいえば25日の広島戦では松井雅が進塁打を打てずにフライを上げ、昨日の試合では井領が制球に苦しむドリスをアシストするかのような空振りをしてしまい……。とにかく、要所要所で雑なプレイ=記録に残らないミスが目立ち、それが敗戦につながるケースが多すぎるのだ。

一時期に比べればチームの雰囲気は確実によくなった。与田政権になり、ポジティブに現実を捉える意識も浸透してきたようにも感じる。あとはこうした雑なプレイをいかに減らせるか。打った、打たないは時の運もあるので責める気はないが、雑なプレイは意識の持ち方ひとつで確実に減らすことができる。借金体質から抜け出すには雑さの根絶が鍵となるはすだ。