ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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情で裁く愚か者

◯9-4(6勝6敗)

 

2連勝で五割に戻し、4番ビシエドは2連発、開幕投手笠原が初勝利と良いことづくめの快勝だったはずなのに、谷元、ロドリゲスを使わざるを得ない展開になってしまったのは少々残念だった。

その原因を作ったのは佐藤優の単調な投球と、雰囲気に呑まれて捕球すら儘(まま)

ならなくなった加藤という、経験が浅いバッテリーにあることは間違いない。だが、それにしても今夜の試合はあまりにも球審がひどすぎた

ひとつの試合の中でゾーンがコロコロ変わる、いわゆる可変式だとか、緊迫した場面になると選手や観客と一緒になって雰囲気に呑まれて異常にゾーンが狭くなるムード重視の審判にはしょっちゅうお目にかかるが、今夜の試合を裁いた芦原さんはあろうことか情で判定を下す球審だったのだからたまらない。

 

身勝手に勝敗を決めつけた手抜き判定

 

問題の判定は6回表。ビシエドの2ランのあと、さらに攻撃の手を緩めず加藤のタイムリーでなおも2死一、二塁として打席には笠原。ところが集中力が切れたメッセンジャーは打つ気のない笠原に対してカウントを3-0としてしまう。そこからなんとか2球はど真ん中でストライクを取るも、続く6球目は外角高めに浮いた明らかなボール球。100%阪神寄りのスカイAの実況アナさえも投げた瞬間「しかしこれは……」と四球を確信して絶句するほどの完全なボール球だ。ところが芦原球審の判定はストライク。実況アナも慌てて「おっとこれはストライクですか」と言い直す。もし四球なら満塁で京田に回るところだったが、芦原審判はそれを許さなかった。

確かに笠原には打つ気がなかった。もしど真ん中に来ても悠然と見送って三振に倒れていただろう。昔から球界には打つ気のない投手に対しては余程外れていない限りはストライクを取るという不文律が……あるわけないだろそんなもん

 

当たり前だがストライクゾーンとは画一的に定められたものであり、展開や状況に応じて可変するなんてことは本来あってはならないことだ。それでも上述した通り、勝敗のかかる大事なシーンになると露骨にゾーンは狭くなるし、またカウント別でかなり変動することもゾーンの可視化によって暴かれている。

それだけでもどうかと思うのだが、今日の芦原審判の判定は片方のチームへの肩入れと言われても仕方がないほど目に余るものがあった。

確かにあの回のメッセンジャーはヘロヘロだった。その投球に引きずられるようにして球場の雰囲気も重苦しく、あの時点ではタイガースの敗北が濃厚なのは誰が見ても明らかだった。だから、せめて打つ気のない投手に対しては多少外れていたとしてもストライクをコールしてやらないとメッセンジャーが可哀想だと、まるで芦原審判は温情をかけるように明らかなボール球をストライクと判定した。

だがつい3日前、この球場では5点差が終盤3イニングにひっくり返ったばかりなのだ。ましてや今日はまだ6回。残り4イニングで6点差など、いくらでも逆転劇はあり得る状況だ。にも関わらず、身勝手に勝負ありと決めつけて温情判定を下した芦原審判には、現時点で1軍の公式戦を裁く資格はない。人間が裁く以上、誤審は仕方なくてもそこに情を挟み込んだら野球というスポーツは成立しないのだ。

“まあ6点差あるしストライクでいいか”

もしあの瞬間、芦原審判の頭の中に1ミリでもこんな考えが浮かんだのだとしたら、私はそれを看過することはできない。最終的に勝ったからいいものを、もし負けていたら今夜はあのストライク判定の場面が頭にこびりついて眠れなかったに違いない。

 

むしろ芦原審判には徹夜で延々あのシーンのVTRを見続けてもらいたいくらいだ

 

んだんだ。あんな判定、ベンチにT浪さんがいたらすっ飛んできて膝蹴り食らわされるぞ