ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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Mr.ストレート

◯3-2(5勝6敗)

 

先週のカープ戦に続いてロメロが見事な投球で強力巨人打線を2失点に封じた。初回、丸が三ツ俣の指を踏むなどトラブルも絡んで30球を要した時にはどうなる事かと思ったが、終わってみれば6回96球。課題だった走者を背負った場面の投球も卒なくこなし、嬉しい来日2勝目をあげた。

それにしても凄まじいストレート押しだ。どこからでも一発が飛び出す強力打線相手に一歩も引かずにストレートで押しまくるスタイルは圧巻の一言。なんと全96球中8割近い76球がストレートで、初回には21球連続でストレートを投じるなど、まるで全盛期の藤川球児が先発をやっているかのような内容だった。

 

もはや配球を予測するまでもなく真っ直ぐ一本で待っていれば打てそうなものだけど……

 

分かってても打てないから凄いんだよ。そしてロメロはそれを逆手に取った投球もできるんだ

 

天敵・丸佳浩の3打席目に唸った

 

分かっていても打てないストレート。それでも打ててしまう打者もいる。丸佳浩である。いわゆるヤマ張りタイプの丸は1打席目から明らかにストレートだけに狙いを絞り、苦戦するチームメイトを横目に2打席連続でヒットを放った。もちろん打ったのはどちらもストレートだ。

迎えた3打席目。1死一塁の場面。当然今度もストレートの一点張りであろう丸相手に、バッテリーが選択したのはカットボールだった。150キロのタイミングで待っている丸に対して130キロ台のカットボールを続け、虚を疲れた丸はあっさり3球三振に倒れた。丸のヤマ張り特性を逆手に取った、巧い配球だ。

 

日本流投球術を磨けばさらに伸びる

 

また76球のストレートのうち実に59球が150キロ以上を計測した今日のロメロだが、投手のメルセデス相手には2打席の対戦で6球投げたストレートのうち5球が140キロ台と、明らかに抑えて投げていたことが分かる。ちなみにビヤヌエバにはストレート12球中11球が150キロ超なので力の入れ具合の差は歴然だ。

このようにロメロはただがむしゃらにストレートを投げ込むわけではなく、状況に応じてペース配分を行う器用さも持ち合わせているのだ。

ただ、あまりにもストレートを続けすぎてファールで粘られる場面も目立つので、2回に陽岱鋼からゲッツーを取った際のようにタイミングを外すチェンジアップの配分をもう少し増やせば、球数も減り、奪三振も増えるのではないかと思う。

今後はこのあたりの日本流投球術を磨けばさらに伸びることは必至。ガルシアの穴埋めを期待された男はひょっとするとそれ以上の存在になるかもしれない。