ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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オカルトを信じろ

●1-3(4勝6敗)

 

昔、Perfumeが日本のアイドルとしては珍しいテクノポップで売り出し始めたばかりの時、なかなか売り上げが伸びない中でその特異な音楽性に目をつけて熱心に応援していたRHYMESTERの宇多丸にこう勇気付けられたという。

“やってる事は間違ってないから必ず売れる”

 

それから程なくしてひょんな事をきっかけに大ブレークを果たし、今や世界規模のグループにまで成長した3人。だがもし早い段階でテクノポップに見切りを付け、凡百なアイドルソングに転向していたら……間違いなくその後の活躍はなかっただろう。

石の上にも三年と言うように、取り組み始めた事が結果に繋がるにはそれ相応の覚悟と忍耐を必要とするのだ。

 

深刻な得点圏での弱さ

 

8回1死一、三塁。相手のエラーで巡ってきたこの日最大のチャンスで打席にはアルモンテ。最低でも同点。あわよくば……。思い描いた淡い期待は、文字通り一瞬にして消え失せた。初球の緩いカーブを狙いすましたかのように打ち返すと、打球はものの見事に吉川光のグラブに収まり、歓声は悲鳴に変わる。開幕から10試合目にして早くも見慣れた光景だ。

カープ戦(3日)の9回1死三塁、ヤクルト戦(6日)の12回1死満塁に続いてこの1週間で3度目の大チャンスでのゲッツー。それだけはやめてくれという展開を短期間にこれだけ味わえば、嫌でも「決定力不足」という言葉がついて回る。

得点圏での弱さは決して印象だけの話ではなく、数字が如実に物語る。大島(.143)、ビシエド(.100)、アルモンテ(.000)、高橋(.100)。クリーンアップがこれだけ得点圏に弱ければ点が入らないのは当たり前。なまじ平田、京田が好調なだけにチャンスは作るが主軸が倒れて点には繋がらないという、ファンにとってストレスが溜まる展開にもなってしまう。

 

チームの方向性は間違っていない

 

今日までに喫した6敗のうち5敗が2点差以内、つまり終盤まで競った上での僅差負けだ。だからこそ「チャンスで一本出ていれば!」「あのゲッツーさえ無ければ!」と余計に悔しさを引きずるのだが、一方で得点圏打率はオカルトだとする考え方もある。

分母が少ない上に長期的にみれば収束するという統計が明確に示されているためだが、この説を採るなら今季これほどまでにチャンスに弱いのも偶然に過ぎず、軒並み1割台に低迷する主軸打者たちの得点圏打率も今後ある程度は収束していく事が予測される。

チームの心構えとして大事なのは、少なからずオカルト要素もはらむチャンスでの弱さを必要以上に嘆くより、今のまま投手力を中心とした守り勝つ野球(今のところ勝ててないが)を崩さないこと。そして雑な野球をしないことだ。

昨年の防御率崩壊を受けて投手陣の整備を第一に動き出した与田ドラゴンズ。方向性は間違っていないから、我慢強く戦い続ければ必ず勝てるようになると私は信じている。かつてPerfumeがショッピングモールの一角で10人やそこらの見物客を前にテクノポップを踊ったように、暗黒時代を思い出話にできる日も近いはずだ。