ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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井端氏の恐ろしき眼力

●3-4(3勝5敗)

 

昨日に続く壮絶な消耗戦は12回2死から青木にサヨナラ弾を食らうという無残な結末に終わった。やはり鬼門の神宮球場。勝てないだけならまだしも、引き分けすらも許してくれないのか。

これで開幕以来、黒白の交互で来ていた星取りに初めて黒が連続し、与田政権下としては最悪の借金2となった。

 

井端が指摘した亀澤の甘さ

 

終盤は毎回のようにチャンスを作りながらもあと一本が出ずに残塁を積み重ねてしまった今日の試合。極め付きは何と言っても12回1死満塁、カウント3-0まで追い詰めながら最悪の併殺打に倒れた亀澤の打席だろう。今週の亀澤は犠打失敗、走塁の飛び出し、そして併殺打と少ない出番で確実にミスを犯し、ファンからの集中放火を浴びる事態となっている。

だが私は敢えて今日の併殺打に関してとやかく言うつもりはあまりない(ちょっとはある)。そもそも今日の試合では京田も平田もビシエドも阿部もここぞの場面で凡退に倒れており、たまたま最後に訪れたチャンスで打てなかったからと言って亀澤だけが特別責められるのはお門違いだ。

問題は、結果よりもそこに至るプロセス。亀澤が責められるべきは併殺打という結果よりもそれを招いた心構えの部分だと解説席の井端弘和氏は指摘し、なるほどと膝を打った。

井端氏が問題視したのはカウント3-0から亀澤が平然と2球見逃して追い込まれた箇所だ。押し出し濃厚の雰囲気のなかで「待て」のサインも出ていたのだろう、2ストライクまで見逃すのはセオリー的にもおかしな事ではない。だが、井端氏は亀澤の見逃し方に苦言を呈した。“打つリズムで見逃してない”と。

亀澤は最初から2ストライクまでは打つ気がない雰囲気があからさまに出ており、投手に何のプレッシャーも無くストライクゾーンだけを目掛けて投げられる楽な状態を作ってしまったのだという。もし1ストライク目で三味線の空振りをしたり、甘いコースに来たら打つぞという姿勢をバッテリーに感じさせる事ができていれば、安易にストライクを投げられず違う結果になっていたのかも知れない。

この辺りの甘さこそが亀澤がレギュラーとして定着しきれない最大の原因であり、井端クラスになれば解説席から一瞥しただけで見抜けてしまうという事なのだろう。

 

二遊間の守備にも井端の厳しい指摘が入った

 

またそれ以外の部分でも井端の厳しい目はドラゴンズの甘さを見逃さなかった。5回、1死から石川雅規が出塁し、2死から塩見が三遊間を抜くレフト前ヒットで続いた場面。

京田は限りなく可能性が低い走者・石川の盗塁を警戒して二塁寄りにシフトを敷いており、定位置ならショートゴロで終わった打球が三遊間を抜き、直後の山田哲人のタイムリーを招いてしまった。このプレイを井端は“一塁ランナーが投手なのに二遊間が盗塁をケアする必要はない。京田、阿部共にもっと勉強が必要”と断じた。

アライバコンビとして鳴らした井端の渋く、的確な指摘は聴いているこちらも勉強になる。黄金時代は決して単純な戦力層の厚さだけではなく、各選手がこのレベルで野球に取り組んでいたからこその賜物なのだとつくづく実感した。

 

こういう細かいプレイの積み重ねでチームは強くなるんだな

 

今オフに有力視される井端のコーチ復帰が今から楽しみだ