ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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打者・山井の5球

◯9-1(1勝1敗)

 

勝負の分かれ目は3回だった。無死1塁で打席には山井。セオリーなら十中八九送りバント、というかそれ以外は考えられない場面でなんと山井はバスターの姿勢を見せたのだ。空振りとファールで簡単に追い込まれると、ようやくバントの態勢をとり2球見逃した末に5球目を絶妙に転がして送りバント成功。

思えば昨夜は笠原が無死1,2塁からバントを失敗し、先制のチャンスを逸したことが拙攻に繋がってしまった。投手のバントは自分自身を助けるための武器だ。勝てる投手はバントがうまい……いや、うまくなくても決めることができる投手が結果的に勝ち星を手にするのだ。

特に1番に攻撃型の平田を置くドラゴンズにとっては9番打者のバントは生命線になり得る。今日の山井のナイスバントは笠原はじめ若い投手陣には目に焼き付けて欲しい見事なベテランの“技”だった。

 

2球の遊びが京山を狂わせた

 

それにしても、なぜ卓越したバント技術を持つにも関わらず初球から決めないで、みすみす2ストライクをくれてやったのか。あくまで推測だが、おそらく山井はネクストサークルで京山の球を見た上で、追い込まれてからでもバントを決められるという確信を持ったのではないだろうか。もし失敗したら非常に嫌な空気が流れるあの場面で悠々と2球を捨てるなんて、そうでないと説明がつかない。

余裕で決める自信があったからこそ敢えて2球遊ぶことにより、狙いどおり弱冠ハタチの京山は動揺してテンポを崩した。バスターで揺さぶって球数を増やし、最後は結局あっさりバントを決める。あの場面、これほど若いバッテリーにとってじわじわと効く攻撃は無いだろう。試合の大局を見極めた上で相手が嫌がる手段を咄嗟に実行に移す。ダテに長年プロで飯を食っているわけじゃ無い。そんな山井のベテランらしいプレイが勝利を呼び込んだのだ。

 

1-8という悪夢のようなスコアから一転、1点多い9-1でやり返せたのも喜び倍増だね!

 

やられたらやり返す!1.125倍返しだ!

 

古い上に収まりが悪い!