「大島洋平はもっと評価されるべきだ」
久々に会った「ようやっとる座談会」(仲間うちで年2、3度開催している定例会合)の面々と、大島の話で盛り上がった。メンバーの1人であるBB君いわく、ドラゴンズは2010年代に一度も相手チームにランニングホームランを許さなかったのだそうだ。調べてみたら本当で、2008年、千葉マリンスタジアムのロッテ戦で竹原直隆に打たれたのが最後のようだ。本拠地が東京ドームならともかく、最もランニングホームランが出やすいナゴヤドームを本拠地としながら、何百試合とやって一度も食らっていないのは外野手の質の高さの証左と言えるのではないかというわけだ。
では2010年代、ドラゴンズの外野、それも最も広範囲をカバーしなければならないセンターを守り続けた選手とは誰なのか? もちろん大島である。2014年から2019年までの中堅手の累計uzrは桑原将司に次ぐ40.1ポイント。桑原よりも守備イニングが倍以上多いことを考慮すれば、大島こそが2010年代を代表する中堅手と言い切ってもいいだろう。
また打撃面でもプロ10年間で積み上げた安打は1442安打。古田敦也、宮本慎也、和田一浩に続く大卒社会人での2000安打達成もぼんやりとではあるが見えてきた。昨季はオープン戦で不振に陥り限界説も囁かれたものの、終わってみれば143試合フル出場かつリーグ最多安打を記録するのだから恐れいる。まだある。レギュラーに完全定着した2012年以降、140試合未満の出場数だったのは死球骨折で離脱した2017年のみ! 通算盗塁数はチーム歴代4位!
これらの事実からも分かるように、大島はなんとなく地味な印象があるが、既にレジェンドに片足つっこんでいる相当スゴイ選手なのだ。
今こそ大島を見よ!
昨秋には悩んだ末にFA移籍を封印。生涯ドラゴンズ宣言にファンが狂喜乱舞したのは記憶に新しい。今シーズンも当然のように開幕は1番センターで迎えるのだろうが、そうは言っても34歳だ。いつ本格的な衰えが来てもおかしくはない。せめて岡林勇希が満足に使えるようになるまでは長持ちしてくれよ、などと祈る気持ちを嘲笑うかのように、11年目のベテランは早くも開幕を見据えてペダルを踏み始めたようだ。
今日の西武戦では初回、いきなり二塁打を放ち先制の口火を切れば、5回には快速を飛ばして三塁打を記録。打棒にも脚力にもまったく衰えがないことを、結果でもって証明してみせた。守備面では近年の守備指標の低下傾向がやや気がかりではあるが、まだランニングホームランを防ぐくらいの余力は残っているはずだ。
ファンの関心はもっぱら石川昂弥をはじめとした若手の躍動に向いているが、大島のようなベテランの働きにももっと注目すべきだろう。完全にガタが来るまで、元気にセンターでスタメンを張れるのもせいぜいあと2、3年。若手なんてこれからどれだけでも楽しめるのだから、敢えて「今こそ大島を見よ」と提言しておこう。
でもゴメン、今日はスパンジェンバーグの事しか覚えてない。大島の猛打賞も霞むバケモノの2打席連発。交流戦がなくてホントによかった。
練習試合○7-5西武