ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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無謀な男

◯7-1(54勝63敗2分)

 

福田の先制2ランとその他の5本のタイムリーのうち、個人的に一番嬉しかったのは事実上勝利を決定づけたと言える4点目、高橋周平のタイムリーツーベースだ。序盤、何度もチャンスを潰したことにより僅差での逃げ切りを余儀なくされてしまったこの試合。仮に先頭のビシエドがツーベースで出塁したこの8回裏も後続が倒れて無得点に終われば、村上から始まる9回表は相当に不穏な空気に包まれていたことだろう。

無死二塁。せめて進塁打という場面で飛び出した高橋らしいバッティングは、相手の戦意を喪失させるには充分な大きな4点目をもたらした。

 

保存療法で強行出場

 

先月16日、不注意により小指の側副靭帯損傷という重傷を負った高橋は、医者の忠告も聞かずに手術ではなく保存療法を選択。メリットは手術した場合よりも1〜2週間ほど復帰が早くなること。デメリットは靭帯が二度と元に戻らなくなってしまう恐れがあることーー。100人中99人が完治を選ぶであろう二択で、あろうことか高橋は早期復帰のために靭帯を生贄に差し出してしまった。

それでもなんだかんだ言って安全性が保障されたうえでの判断であることをファンは祈ったものの、高橋本人の口から「後遺症が出るってことは、治ってるってことでしょ」との迷言が飛び出したことで、本当に事態の重みを理解していないだけであることが明るみに出たのであった。

 

この発言、何度読んでも意味が分からないよ

 

要はぜんぜん治ってないってことだろ

 

後遺症にも負けず完全復活の兆し

 

その後も「違和感はゼロではない」など心配になるようなことを平然と口にしながらも、高橋は思っていたよりもずっと早く戦線復帰を果たした。あまりにも早すぎる復帰は心情的には反対ではあるものの、入れ替わるようにアルモンテと平田が離脱した状況を考えれば背は腹に変えられない。

結局ファームで調整することもなくいきなり一軍の舞台に帰ってきた高橋はその後も当たり前のようにスタメン出場し続けているが、もちろん指は完治していない。それどころか「右手小指でバットを握る時に、ギュッと握れない」(東海ラジオ「ドラヂカラ」より)後遺症が出ていることも白状した。

そうは言っても試合に出る以上は戦力として100%の力を発揮してくれないと困るわけだが、復帰後の高橋は打率2割そこそこしか打てておらず、残念ながら離脱前ほどの活躍はできていなかった。だからこそ今日のタイムリーと、その前の打席で苦手のサウスポーから打ったレフト前ヒットは内容もよく、完全復活を予感させてくれると同時に小指の不安もほんの少し和らげてくれた。

 

しかしタイムリーツーベースでは飽き足らずスリーベースを狙うも失敗。病み上がりにもかかわらず無謀な挑戦をするあたりが良くも悪くも高橋の魅力であり、これからも高橋はこんな感じで我々をハラハラさせてくれることだろう。