ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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生死を賭けた20分間

◯5-4(28勝36敗)

 

“薄氷の勝利”というのは、「負けても何らおかしくない状況で勝利を収めた様」を表現した慣用句だが、今日の9回裏はそんな生易しいものではなく、薄氷をバリバリと踏み割りながら命からがら岸辺まで渡りきったようなデッド・オア・アライブな20分間だった。

あの1イニングに様々な勝負の綾が詰め込まれていたが、昨日との対比という点ではやはりウイニングショットとなったフォークボール。あれを要求できなかった加藤と、臆する事なく要求した武山との差は歴然だった。もちろん後逸すれば同点に追いつかれ、なおかつ一、三塁となる場面。あるいは鈴木大地が見送れば満塁となるわけで、バッテリーとしては空振りだけを願って投げた事になる。

ただ、3球目にもやはりボールゾーンへのフォークで空振りを取っており、なおかつ2日連続でのヒーローを狙う鈴木の気負いもうまく利用したナイスリードだった。時にはリスクも覚悟で勝負に打って出なければいけない場面があるという事。加藤はまだその辺りの駆け引きができる段階ではないのだろう。

 

ベンチで見ていた加藤がこのリードに何を感じたか。昨日、何が足りなくてああなかったのかを改めて考えて欲しいね

 

「俺の肩なら田村の犠打を三塁で刺せたのに」とか思ってたりして

 

そんだけ図太けりゃ何の心配もいらないんだけどね

 

京田、勝負の送球を決める

 

昨日の敗戦後、投手陣のカラオケパーティよりも話題になったのがSNSで拡散されたある動画だった。そこにはサヨナラ負けを喫した直後、お通夜ムードのベンチに戻った京田が柵を蹴り上げ、さらにグラブを叩きつける様子が収められていた。いわゆるブチギレというやつだ。

たちまちこの行動は物議を醸した。物に当たるのはよくない、ビジターの壁を蹴ったらダメ、こんな事したらますます雰囲気が悪くなる……。確かにその通りだろう。だが私はこの動画を見て非常にポジティブな印象を受けた。筆舌に尽くしがたい敗戦の直後、あのくらい感情が爆発するのはむしろ自然だと思うし、普段あまり表情が変わらないーー、悪く言えば何を考えているのか掴みにくい京田があれほど分かりやすく悔しさを表現した事が頼もしくさえ思えたのだ。

だから誰が何と言おうと私は京田の行動を支持するし、その京田が今日の9回裏、一死二、三塁から見事に補殺を決めたのは心底シビれた。即座に井口監督がリクエストを要求するほどの際どいタイミング。あの流れ、あの緊張感の中で少しでも逸れていたら命取りになっていたであろう勝負の送球を、ここしかないというコースへ決めた京田の技術と強気こそがあのイニングの肝だったと言っても過言ではない。

 

今日の試合前のラジオで仁村徹氏が「蹴飛ばすくらい許してやってください」と言ってたぞ

 

仁村はベンチどころか選手を直接蹴飛ばしてたタイプだから、まあ