ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

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雨傘番組の思い出

●2-3×(11勝9敗)

 

とんと雨傘番組を観なくなって久しい。そもそも若い世代だと雨傘番組という言葉自体をご存じない方がほとんどだと思うが、要は地上波のプロ野球が中止になった時、本来野球を放送するはずだった19時〜21時の枠を埋めるために放送する代替番組のことである。

まだ巨人戦が全試合地上波で放送されていて、なおかつ中日がナゴヤ球場を本拠地にしていた平成初期までは2週間に一度くらい雨傘番組が放送されていた気がする。基本的には家族向けの映画だったりドラマの総集編が多いのだが、楽しみだったのが試合途中に雨天コールドになるパターン。この場合、中途半端に時間が余るため、放送終了までをつなぐために過去のプロ野球の名シーン特集や、ちょっとした珍プレー好プレーが流れることがあったのだ。

まだインターネットも一般的じゃない時代。過去の名選手の映像が見られる機会は貴重で、父親と一緒に見ながらいろいろと当時の話を教えてもらったりするのが牧歌的というか非日常的な感じで好きだった。特にVTRが終わり、雨が降りしきる球場に画面が戻ったときの現実に戻される感じがたまらなく好きだったのは私だけだろうか。

しかしナゴヤドームに移転後は雨天中止自体がなくなり、屋外のビジターや地方開催についてもここ15年くらいはJスポーツにお世話になっていることもあって、もう長年雨傘番組を観ていないし、下手すりゃ今後観ることも一生ないのかもしれない。

 

まだプロ野球がお茶の間の文化として成立してた頃の話だね

 

平成ノスタルジーというやつさ

 

明日こそ中止になって欲しいなあ

 

ところで今日の試合。開始前から降り始めた雨が試合の経過と共に強くなるのは予報からも分かっていたはずなのに、案の定強行したのは日程未消化に対する恐怖心からだろう。

CSのせいで10月上旬までに全143試合を消化しなければならず、昨年の阪神のように9月半ばを過ぎてから振り替え試合が詰まりすぎて連戦続きになるのも困るので、よほどの土砂降りでもない限り強行してやろうという強引さ。昔なら余裕で中止になっていたような雨でも平気で強行するから困ったものだ。普段から快適なドームに慣れているドラゴンズの選手達は雨天試合にとことん弱い。こないだも雨の甲子園で吉見一起が泣き、今日はライデルがいかにも投げにくそうにしながら平時より10キロ遅い147キロの速球を野手と野手の間に落とされてサヨナラ負けを喫した。まったく、これだから雨の試合は嫌なんだ。

どう考えても中止にした方がいいような土砂降りの中であれよあれよと言う間に負け、“昔だったら雨傘番組なのになぁ”などと平成初期の思い出に逃避しつつ、野村祐輔、大瀬良大地という明日からの先発ラインナップを見て“明日こそ中止になって欲しいなあ”と心から思うのであった。