ちうにちを考える

中日ドラゴンズ歴史研究家が中日の過去、現在、そして未来について持論を発表するブログです

MENU

それぞれの想いを持って

 

◯7-4(2勝2敗)

 

追いついても追い越され、また追いついて、追い越され、それでも追いつき、遂には追い抜いて掴んだ勝利。1勝2敗で名古屋に帰ってきた与田ドラゴンズはまさしく全員野球と呼ぶにふさわしい会心の勝利でホーム初陣を飾った。

 

昨年までなら長野の一発で意気消沈してた試合。よく追いついたし、阿部もよく打った!

 

大野雄も3発は浴びたけど7回まで投げたから役割は果たしたよね

 

とにかく今年は200イニング投げてもらわんとな。去年の分まで!

 

実績より調子!しがらみ無き起用

 

与田監督は聖域を作らない方針のようだ。たとえば今日は開幕からノーヒットが続くアルモンテをスタメンから外し、代わりに昨季ジョンソンに対して.083とカモにされた福田を起用した。開幕して間もない時期にクリーンアップを打つ外国人を外す采配はあまり記憶にないが、与田にしてみれば外国人とか日本人とかは関係なく、今の時点で調子のいい選手をしがらみなく起用したに過ぎないのだろう。

この方針は一貫していて、その最たるものが開幕カード2試合の京田のスタメン落ちだった。内容の薄い淡白な打撃や集中力に欠いたミスをすれば、2年間レギュラーを張った選手とて例外ではないことを開幕戦でいきなり証明してみせたのだ。

多くの監督がメンバーを固定して戦おうとするあまり起用の柔軟性を失いがちな中で、新任監督がここまで思い切った采配を振るうのは意外だった。

 

それぞれの想いを持って……

 

外れる選手がいる一方で、代わりに起用される選手は燃えるに決まっている。昨季、規定打席に到達したにも関わらず今年は控えに甘んじていた福田が今季初めてのスタメンでいきなり同点タイムリーを打てば、堂上と京田も競い合うようにタイムリーを放つ。特に京田はよほど開幕スタメン落ちが堪えたのか、やや慢心が感じられたオープン戦とは別人のような軽快な動きを見せており、6回にはポテンヒット性の当たりを背走キャッチする大ファインプレイで大野雄を救った。

殊勲打の阿部もそうだ。開幕戦でセカンドのスタメンに大抜擢されるも目立った活躍ができず3戦目は出番なし。2試合ぶりの出場となった代打起用に見事に応えた。続いて貴重な犠飛を放った渡辺も去年まではチャンスすら与えられなかった選手。その渡辺が必死の形相でファールで粘る姿は“絶対にこのチャンスをものにするんだ”という執念に満ち溢れていた。

 

試合後の勝利監督インタビューで与田は「それぞれの想いを持って試合に臨んでいる」と選手達を讃えた。不動のレギュラーポジションを外された者、一度は失ったレギュラーの再奪取に挑む者、念願の一軍定着を目指す者、文字通り生活をかけて打席に立つ者。立場はそれぞれ違っても、負けてたまるかという想いは同じはずだ。ひいては個々のそうした想いがチーム力の向上に繋がるのだと再認識させてくれた。

 

細かいところで言えば8回の無死満塁は代走・遠藤の走塁が生んだチャンスだ

 

このチームで生き残るために皆んな必死にようやっとる